二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.40 )
日時: 2010/03/02 23:28
名前: かっぺい (ID: qrbmE5ew)

マシロ その3



目が覚めると、小悪魔がおろおろと私を見ていた。

「う……ん……」

「あぁああ門番さん!
 アレ何ですかぁ!?」

起き抜けに体を揺すぶられる。
殴られた背中から腹が痛い。
気持ち悪い。

「ちょ、ちょ、まっ待って」

「うぅぅ……しっかりしてくださいよぉ……」

「泣くんじゃないの。 ……ん、アレ?」

直後、目の前の本棚がどすん、と振動した。
はっとして起き上がったところ、見慣れた少女が上から落ちて来た。

「『パチュリー』さま!?」

「ううう……何よアレ……
 中国、あんた門番でしょ……」

「中国じゃありませんってば!」

それどころじゃないの、と少女が指を指す。
本棚の影から、白黒の四肢が見えた。

「……へぇ、その人パチュリーって言うんだ」

「パチュリー・ノーレッジよ」

「ふぅん。私はマシロ、よろしく」

「あ、よろしく」

「何をのほほんと会話してるんですか」

小悪魔を引き離し、パチュリーの前に出る。
マシロと名乗った獣は、にやりとして前足を上げた。

「へぇ、もう立てるんだ。
 思ったよりタフだね。人間とは思えない」

「私は妖怪です」

「そうなの!? ……全然そうは見えないけど」

「それともう一つ」

「?」

ぐっと、手に力を入れる。
さっき立ち上がるとき、本を拾っておいた。

「私の名前は紅美鈴(ほん めいりん)。
 『紅魔館』の門番です」


驚きの声を聞いて駆け出す。
投げた本は、正確にマシロの頭を狙っていた。
顔面スレスレで止まっている
風が、本を阻む。
本が、風を阻む。

「あ」

「これでダウンです!!」

本に向かって蹴りを繰り出す。
影分身を使う暇はない。取った……!


「ツメが甘いね」

自分の頬に、傷が入っていた。
目の前ではバラバラになった本が四散している。
いつのまにか、再びマシロとの距離は開いていた。

「これは……」

「防御だけじゃないんだよね、コレ」

ゆらりと、マシロの首が揺れる。
今度は自分の中に、恐怖もある事に気がついた。
どう考えても手遅れだろう。