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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.41 )
- 日時: 2010/03/03 19:54
- 名前: かっぺい (ID: qrbmE5ew)
マシロ その4
次に目覚めた時には、目の前に怒りの形相で女性が立っていた。
頭がズキズキと痛む。
1日に2度も気絶とは、よっぽどツイてないらしい。
辺りを見渡すと図書館だった。
先程の闘いから移動していない。
立ち上がる時に、涙目で本を拾っているパチュリーが見えた。
「お見苦しいところを見せちゃいました……」
「……美鈴。サボるのは問題だけど、負けるのはなお悪いわ」
怒っている。
あせあせと言い訳を考えるが、とっさには出てこない。
「あ! そういえばマシロは……」
「マシロ? ……あぁ、あの獣。
妹様のところよ」
「え」
誘導したの、と彼女は言った。
無表情のまま、十六夜咲夜(いざよい さくや)が語る。
よくもまぁ非人道的な。
当たり前だが、声には出さなかった。
私が気絶した直後、異変を聞きつけたメイド長がここへ訪れた。
『紅白』でも『白黒』でもない来訪者に、彼女は閃く。
『お嬢様』は今いない。
なら『妹様』の遊び相手には丁度良い。
ナイフを投げながら、地下に繋がる通路へ誘導した。
扉の前で『時を止めて』、開けて、入れて、閉める。
あとは扉に鍵をかけるだけ……
侵入者が死ぬまで。
「うわぁ……エグい事しますね」
「向こうが悪いわ。
……閉じ込めてからしばらく経つし、見に行くわよ。
その後で説教するから」
流暢に喋ると、彼女は踵を返して扉に向かう。
「流石ですね」
「何が?」
「全部」
思ってたより本心から出た言葉だった。
ふん、と一蹴される。
唖然とするのも、1日で2度目だ。
隣の咲夜も同じらしい。
扉の隙間から見ている限り……
血みどろの惨劇だとか、
泣き叫ぶ獣だとかは見えない。
むしろ、平穏そのもの。
年端も行かぬ「最凶」の少女は、白黒の獣に寄り添って寝ていた。
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