PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.61 )
- 日時: 2010/04/01 00:29
- 名前: かっぺい (ID: S3B.uKn6)
ここら辺は場面転換が多いんで注意。
ご主人 その7
俺は大きな欠伸をした。
「……もう一眠りしてくれば?」
「んぁ、いいよ。もう来るだろうしな」
もごもごと返答する。
隣の少女は、くすっと笑って遠くへと視線を移した。
ここは最初に俺が拾われたところだ。
『マヨヒガ』というらしいが、前に来たときの大量の猫は今はいない。
これからここで会談をするのだ。
相手は紫と、もう一人……
「西行寺、だっけか? 昨日も来てた奴だろ?」
「ええ。私の友人だから警戒の必要は……
って、これは昨日も言ったわね」
紫が小さく呟く。
俺はそれを聞きながら、少女のやって来るはずの道に目をこらす。
「それはいいんだが、俺がこっちへ来た経緯は昨日話したろ。
もう話すことは無いんじゃねぇか?」
俺はもう一度欠伸をした。
涙目を擦りながら、隣を見る。
おや、と思った。
紫の表情はうっすらと緊張を帯びている。
一瞬前までの、ゆったりとした余裕は既に無い。
ざわ
そこで急に、俺は胸騒ぎを感じた。
……いや違う。これは胸騒ぎじゃない……
「お、おい」
「来たわよ」
思わず、高速で首を捻る。
向こうに見える道から……少女が顔を現した。
「あ、紫!」
「……いらっしゃい、幽々子」
俺は挨拶を交わす二人を、交互に見比べた。
そのあとで、幽々子の背後に視線を移す。
何も見えない。
俺はぞっとする物を感じた。
何も見えないのが、今は酷く恐ろしかった。
PR