二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.64 )
- 日時: 2010/04/17 20:02
- 名前: かっぺい (ID: S3B.uKn6)
お久しぶりです。これからは週ごと更新になるかと思います。
ご主人 その8
俺はぼんやりと、目の前の二人を見比べた。
マヨヒガに小さく付けられたちゃぶ台……
二人の少女は、そこに座って話をしている。
俺は欠伸をした。
会話の内容は、どうやら彼女たちの内輪の話らしい。
俺の介入する余地はない。
一段落したのを見計らって、俺は溜息でも吐いてみる。
「……ったく、何で呼んだんだよ」
「あら、そういえばあなたもいたのよね」
「そういえば、な」
幽々子のくすくす笑いに、苦い顔をして答える。
向かいの紫は落ち着いて座っているが……どことなく落ち着きがない。
気のせいかもしれないが、彼女は何かを待っているようだった。
「……なぁ紫、ひょっとしてまだ誰か来るのか?」
「え、あ……うん、まぁそうね」
俺が質問を投げかけると、紫ははっとしたように答えた。
と、そこで気付く。
彼女はちらちらと入り口を見ていた。
扉のない、簡素な入り口だ。
そこからは外の景色が小さく見える。
杉か何かの木が、風に揺れている。
「やっぱりあなたは鋭いわね」
紫は小さく呟いた。
ちらと幽々子を見ると、彼女は欠伸をしている。
「……お前さんは知らないのか?」
「他に誰か来るの?」
「まぁ、待ってればね」
紫は含んだ言い方をして笑った。
幽々子は首を傾げ、
俺はその台詞の影に目を細めた。
「あら、誰か来たようよ」
それから数分して、幽々子が突然声を上げた。
紫と一緒に顔を向ける。
その瞬間
入り口に
影が
立っていた
瞬きを
する間もなく
目の前に
刃が
- Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.65 )
- 日時: 2010/04/24 19:40
- 名前: かっぺい (ID: S3B.uKn6)
リク板でキャラ名募集してます。
ご主人に名前をくれてやろう! と言う方はそちらで作者名検索してみてください。
ゴツ その9
雲が出てきた。
雨雲ではない……ゴツは縁側に座って、空を見ていた。
単純に、重い雲。
「降りますかね」
「……いや」
ゴツの隣で茶を飲んでいた妖夢が、唐突に言った。
一通り庭仕事を済ませての一服中だ。
心配そうな妖夢に、大丈夫だろ、と答える。
しかし、その台詞もどことなく不安げだった。
「…………」
「ゴツさん?」
目を細めて垣根の向こうを凝視しているゴツを、妖夢はじっと見る。
どこか別の所に意識が行っている風だが……
眉を潜める。
彼の目線を追ってみる。
空間が歪む。
ぐにゃりと曲がった大気は真っ二つに裂け、ぎょろりとした眼が覗く。
妖夢はぎょっとして仰け反った。
何が起きた?
反応する間もなく、目は広がって虚ろな回廊に変わる。
ずるりと現れる人間は二人。
- Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.66 )
- 日時: 2010/05/03 15:27
- 名前: かっぺい (ID: S3B.uKn6)
ただいまです。やっぱり時間がキツいなぁ……
ゴツ その10
風の音がする。空気が、ごお、と周りを駆けていく。
妖夢とゴツは固まっていた。
現れた二人の人間を見つめたまま。
「……幽々子様?」
妖夢の台詞に、倒れ込んでいた少女が顔を上げた。
瞬きを繰り返し、妖夢のことを捉える。
「妖夢」
「どうしたんですか!? それ……紫様のスキマじゃ」
幽々子は笑っていなかった。
朝の朗らかな表情は消えており、苦しげに……隣の青年に手をやっていた。
……隣の青年……
男は顔を上げる。
ゴツが立ち上がった。
「久しぶりだよな」
青いバンダナ
ボサボサの髪
不敵な笑顔
「悪い、留守にして」
ゴツは何も言わず、じっと青年を見ていた。
何が起きたのか、理解できていない様子だった。
「ご主人」
「……え?」
妖夢がゴツの顔を見た。
目を大きく開き、呆然としている……
その時青年は、苦笑いして手を振った。
「また、な」
突風が吹いたかと思ったら、既に青年の姿は消えていた。
幽々子が咳き込んだ。
妖夢は唖然として空間を見つめていた。
ゴツは頭を抱えて、その場に座り込んだ。