二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.75 )
日時: 2010/06/25 19:59
名前: かっぺい (ID: S3B.uKn6)

一個かと思ったけどまだ時間ありました。
今日中にストック出し切ります。それで一段落かなぁ……

たらこ・フータ その15



走馬灯と言うのは、死ぬ前じゃなくても流れるらしい。
僕は振り向いた瞬間、ふと昔の事を思い出す。

少し昔の、背中が見えた。
僕らからすればそれ程大きくはなく、だが、
自信と信念を背負った後ろ姿。

あぁ、よかった。

心底から思った。
これで全て大丈夫だと、そう思った。



「締め出しやがったな!」

その声は荒々しく、空に向かって放られた。
男の眼前が歪んでいる。
彼が伸ばした手の先で、先程も見た『すきま』が消えた。

そこから出てきたのか。
え、なんで?

僕はゆっくり歩き始める。
唖然とするチルノと大ちゃんと、たらこの方へ。
男はそのすぐ傍で叫んでいた。

「勝手なことしやがって……!自分でケリ付けるっての!」

男は俯き、地面を拳で叩いた。
ぱしゃんという音に、少し離れて大ちゃんがびくりとする。

なんで怒ってんの?
っていうか、現状把握できてない?

「とにかく合流しねぇとやばいな……っていうかここは」

男は、そこでようやく、辺りを見た。

「あ」

最初に僕と目があった。
ちょっ……
僕は慌てて口を開いた。でも声を出すより早く、

「よぉ、フータ」

男は笑った。



夜は更けている。
暗い湖に、ざぁと風が吹いた。