二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.83 )
- 日時: 2010/09/11 17:15
- 名前: かっぺい (ID: ggi.bFNB)
消えたと思ったか? まだだよ!
ただいまです。最近状況描写があんまりだったので、ここからちょっと補足に入ります。
でもまたしばらく空けるかも……るるる
たらこ・フータ その16
「終わったらしい」
ご主人がそう言った。
僕は……フータは、短く瞬きする。隣でたらこが声を漏らした。
「もうか?」
「ん、流石だ。全部話す前に片付けられちまった」
彼は草原から立ち上がった。
そのまま、目の前の僕らを見渡す。
今僕らは、湖のほとりにしゃがみ込んでいた。
僕らというのはつまり、大ちゃんとチルノとたらこ。
『影』が消えたあと、追跡を諦めた僕らはご主人の話を聞いていた。
彼は、ここの『異変』の正体を知っていた。
(ここは『虫かご』だったらしい)
ご主人は、チルノと大ちゃんに向かってそう言った。
彼女たちはぽかんとして、それを聞いていたけれど……
『虫かご』
虫、か。
僕はその単語にちょっと笑った。自嘲めいた声が出た。
「ちょ、ちょっと待ってください」
「 つまりどういうことなのよ!?」
ご主人に続いて、大ちゃんとチルノが立ち上がった。
特にチルノの台詞にはトゲがあり、苛々しているのがよく分かる。
彼女の顔は不機嫌そうだったが……僕はこっそりホッとする。
そこからは、もうさっきまでの殺気や、怒りは感じられなかった。
今そこにあるのは、単純に好奇心と懐疑心。
ご主人に対する、不信感だ。
ぷ。僕は小さく笑った。
「そもそも、あんたいきなり出てきたじゃない!
まずはジコショーカイしなさいよ!」
「あ〜そういうのは苦手でなぁ」
「まぁ、怪しいと思うのは当然だよね」
ここまできて、僕もようやく立ち上がった。
草原は、さっきまでの氷の雨が嘘みたいに乾いている。
涼しい風が僕らの傍を通り抜けていった。
「どうした、たらこ」
「え?」
その時だった。
ご主人の声のトーンが下がり、僕の後ろへと飛んだ。
思わず振り向くと、たらこがあぐらをかいているのが目に入る。
同時に、その眼光も。
「……どうした、俺に不満でもあるのか?」
「いや」
ご主人の軽口に、たらこは反応しない。
小さく返事をして、彼女はのそのそと立ち上がる。
……一瞬だけ僕には、たらこが酷く苦しげに見えた。
ただ、その感覚はすぐさま消えて、僕はそれ以上気にする事をやめた。