二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.99 )
日時: 2010/12/20 23:16
名前: かっぺい (ID: AVmCBGvS)

>>缶詰さん
コメントありがとうございました!
こちらこそ遅筆ですいません;; まったり頑張ります!

しばらくカジさん達の場面が続きます。ここが終わればまた一日経過できる……はず。
作中では、幻想入りからここまでで四日経っています。

カジ その17



夕日が沈んだ。

まだ仄かに明るい夜の中で、私はカジと連れ立って歩いていた。
村外れに向かう道だ。隣の赤いひとは、長い脚を私に合わせて動かしている。
大きな身体だな、と、私は誰に言うでもなく思った。

「慧音を置いてきてよかったのか?」

「ああうん、ヘロヘロだったし、もう寝るって言ってたしね」

「そうか」

静かな声で、カジは言葉を発する。
私が返事をすると、暗がりで揺れる顔は、ふっと笑って見せた。

「人間と、サシで飯を食うのは久しぶりだ」

「……私は人じゃないよ?」

「そんなことはない」

私は少し、トーンを落として声を零した。
カジはそれに反応しなかった。小さく頷いて、台詞を返す。

「どこからどう見ても、妹紅は人間だ」



もうしばらく歩くと、こぢんまりとした竹藪が見えてきた。
勿論、私の住まいがある竹林ではない。普通の、竹藪だ。

傍らには薄黄色の明かりがあった。

「友達がね」

私はカジの前を行き、笑顔を浮かべて言った。

「ここで屋台を出してるんだ」

「ほう」

「鰻って……あ、いや、魚って分かるかい?」

私の質問に、カジは少し考え込む素振りをした。

「……定義が分からないからな。
 俺の知っているサカナが、ここで同じものかは分からない」

「一応いるんだ」

「同類だな」

「……え、同類って」

「大丈夫だ」

カジは素知らぬ顔で言った。

「俺たちは、魚を喰う」

「……そりゃあねえ」

私は強張った顔で、うんうん唸ってみる。



香ばしいタレの匂いが、煙となって空に上っていた。
柔らかくぼんやりした提灯の光が、卓を照らしていた。
きっちりと準備された魚の肉が、目の前の網に並んでいた。

私の友人はいなかった。