二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 逆転御伽話 ( No.7 )
日時: 2010/03/29 21:13
名前: 遊離 (ID: MQ1NqBYl)

逆転マッチ売りの少女

「マッチは・・・マッチはいかがでしょうか?」
私はか弱い女の子。
雪の中寂しくマッチを売っているわけでもなく。

「ひとつ貰おう。」
心優しいお方がマッチを買ってくれるのはただの同情心。

なんて馬鹿げた世界なのだろうか。
相手に買わせるなんて、お安い御用よ。
弱そうな女の子の格好して、細く弱い声で囁けばいいんだもの。
「マッチは要りませんか」・・・ってね。

バカな大人はすぐに食らいつく。
もちろん私の父親もだ。
私がいつまでもあんなむさ苦しい男の下で働くとでも思っているのだろうか?

そんなはずはないだろうな。
でも・・・もしもそんな馬鹿げた事を思っているのならば、裏切ってやろう。
この私がね・・・。

「早くマッチを売ってこいこの役立たず!!!」
父親はそう言って私を外に投げる。
私は少し寂しそうに家から町に向かって歩く・・・
わけもなく、その辺でうろうろする。

そこら辺を歩いていた男の人たちに
「たばこの火をつけるのにマッチはいかが?」
と優しく尋ね高値で売り付ける。
売り払ったマッチとその金分のマッチはすべて使い切る。
家に帰り父親に渡し、半分の金をもらう。
そして家出の準備でもして・・・

明日にでも家を出よう。
マッチ工業の社長になってやるわ!
なんて馬鹿げた事言いながら、
その辺で見つけたイイ感じの紳士にいいよって
結婚。
親父はその辺で何かしてると思うけど、絶対に助けてなんかやらないわ。

あれだけ扱き使っておいて今更「ごめんよ」は無いわ。

その辺で好き勝手やって、死んでいくがいいわ。

私は優しい紳士と結婚し、大手玩具会社の社長夫人。

こうして可哀そう(だと思われていた)マッチ売りの少女は見事に父親を騙し、幸せに暮らしましたとさ。

        おしまい。