二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 桜と火薬と彼岸花 BLEACH ( No.2 )
日時: 2010/02/22 22:54
名前: 天道 (ID: WdWwmA38)

一頁 「不運」

「な、何でだよ……」

やや小柄な男、朝日日向は今護庭十三隊の隊長格五人に囲まれていた。

「何でこうなるんですかあああああぁぁぁぁぁ!!!」
「大人しくしろ、逃げ場は無いぞ」
「待て!状況を説明しろ!」
「自分の胸に聞け!」
「それを知らないんですってばああああああぁぁぁぁぁ!!!」


五分前


『あ〜、学校退屈だな〜……なんか面白い事でも無いかな────』

突然日向は押し出された様な感覚に襲われた。

『うわっと!あれ?この人倒れてる?っていうかこの人僕?っていうかこの服何?!』
『見つけたぞ!』
『はい?!何ですか?!』


そして現在に至る。


「……もういいですよ!煮るなり焼くなり好きにしてくださいよ!」
「あれ?白夜に冬獅朗に京楽さんに浮竹さんに剣八じゃねえか、どうしたんだ?」

日向が自暴自棄になった瞬間、後ろから一護の声が聞こえてきた。

「い、一護君?!」
「あれ?お前誰だったっけ?」

その一護の言葉は普段目立たない日向の心に深い傷を与え、日向は壁に手を当て哀愁漂うポーズをとった。

「ああ……そうだよね、僕目立たないもんね、覚えてくれてる人が一人いるかどうかも分からないもんね」
「あ、その……悪い」

一護は空気を読んで謝ったが、まだ日向の事が思い出せずにいた。

「成績結構良い方だと自負してるんだけどな……ハハハ、覚えてませんよね……」
「あ、思い出した!朝日日向って奴か!」
「そうだよ!忘れないでよ!」

日向はその言葉に少し安堵したが、実は一護は勘で名前を言っていた。

「でお前等は何でこっちに?」
「そいつを逮捕しに、だ」
「何?!お前なんかやったのか?!」

一護はあり得ないといった表情で一同を見つめた。

「知らないよ!」
「嘘を吐け!これを見れば分かるだろう!」

京楽が出した写真を見て日向と一護は驚愕した。そこに映っていたのは正に日向だった。

「ええ?!嘘でしょう?!合成かなんかじゃないんですか?!」
「日向……これはもう、無理だ」
「なんですかその諦めろ的な言い回しは!」

などとコントを繰り広げている間に五人全員が剣を抜いていた。

「え」
「破道の三十三!蒼火墜!」

白夜の放った蒼火墜を日向はギリギリの処で避ける。更に他の四人の刃が日向を襲う。

「これは無いですって!」

日向は後ろに跳び、攻撃を避ける。しかし、後ろにはビルがあり、完全に逃げ場が無くなってしまった。

「(……マジですか?……終わった〜)」
『諦めが早いわよ!』
「(誰ですか?!)」

日向は脳内に響いてくる声に驚いたが、その声を聞いていると不思議と安心感が湧いてきた。

『私の名前は……しょうがないわね、彼岸花、さ、名前は教えたわよ、後は自分でどうにかしなさい』
「(……分かりました)」

日向は覚悟を決めた。

「……還れ、彼岸花」