二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第一話*10ぶりの再会* ( No.2 )
- 日時: 2010/04/01 19:52
- 名前: まかろん ◆jG/Re6aTC. (ID: pkXg7QLy)
第一話*10ぶりの再会*
カーテンからこぼれた光がまぶしい・・・。
うーんと唸りながら薄汚れた毛布を頭からかぶる。
此処は何処だろう・・・
俺には過去の記憶がない。
おばあちゃんに親は交通事故で亡くなった、俺はその時のショックで記憶がなくなったと聞かされているが果たして本当にそうなのであろうか。
そう思えて仕方がないのだ。
「さっさと起きな!」
写真たてがカタカタとゆれる。
おばさんの怒鳴り声だ。
さて、朝の仕事に取り掛かるか・・。
まだ寝ている体を無理やり動かし外に出た。
今日は水汲みの重労働だ。
レンは早速さび付いたバケツを手に持ちよろけながらも仕事場に向かっていった。
この国にはいつも笑いの耐えないにぎやかな大きな街がある。
辺りはいつもより騒がしい事に気がついた。
いったいどうしたんだ・・・?
ドンといきなりフードをかぶったやつに突き飛ばされ後ろにあった屋台につっこんでしまった。
「あぶねーじゃねーかよ!」
屋台の主が真っ赤になりながら怒っていたがフードヤローは無視、当然俺も怒られていたけど。
「逃げるよ」俺の耳元でフードー野郎がささやいた。
・・・っと思ったらいきなり俺の腕を引っ張る。
俺の腕を引っ張ったその手は白くて、細くてなんともいえないほど綺麗だった。
知らないうちに町外れまでつれてこられた。
ここは人気のないところでほとんど人も住んでない荒地だ。
フードヤローはフードを静かに脱いだ。
彼女の白い肌が露になる。
すっきりとした顔立ちに吸い込まれるようなブルーの瞳。
「さっきはごめんなさい・・・。ちょっと急いでいましたから・・・。」
この顔・・・そしてこの声・・・。
どこかであったことこあるような・・、そんな感じがする。
決して知っているわけではないけど、どこか懐かしい・・・。
「ぉ・・さ・ま・・ーー!!」
大勢の足音とともにどこからか声が聞こえてきた。
「あっごめんなさい。もう行かなくちゃ・・。」
彼女はフードをかぶり直し、走っていってしまった・・・。
これが双子の10年ぶりの再開だった。