二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: KINGDOM HERATS Dearly Beloved ( No.3 )
日時: 2010/03/25 14:23
名前: 風水 ◆KQe3o4b3YI (ID: DrxGkANi)

第一幕 [再来]


青い空、白い雲、そして輝く砂浜と……君の声。
懐かしい故郷に、帰ってきたんだ。

俺とたくさんの人を繋ぐ、運命の島、ディスティニーアイランドに。


「ソラ!あっちにイカダの旗が落ちてたぜ!」
「本当か!?」
「ああ、本当だ!フレンドプロミス号のなっ」

銀色の髪をなびかせ颯爽と走ってきたリクがそう言った。
俺は胸を高鳴らせ、リクに次いで走った。

あの日のイカダの一部が、今もこの島に残っているなんて。
まだ世界の為に戦っていない頃の俺たちの、幼い思い出の。
違う世界を夢見て、俺とリクとカイリの3人で一生懸命創ったイカダ。
でも、突然の大嵐からイカダを守ろうと外に出た俺たちは、深い闇に呑まれ離れ離れになってしまった。

「ソラ!リク! 旗だよ!!」

薄暗い抜け道をくぐると、遊具の並ぶ海岸の向こうにカイリが手を振っていた。

「今行く!!」

俺はなんだかたまらなくなってすぐに走り出した。
リクはそんな俺を見て、「子どもだな」と笑いながらあとをついてきた。
前は歴然としていた足の速さが、今は互角になっている。俺も成長したんだなあと嬉しくなった。

少し高さのある場所に立っていたカイリが指差す場所を見るのに、俺は思わずジャンプして飛び乗った。

「うおーっ!! 本当だっ!! フレンドプロミス号の旗だー!!」
「あはは、ソラすっごい喜んでる!」

カイリの指は、白い砂でできた大きな岩で隠れた壁のくぼみだった。
そこから少し、白い布が見えている。「R.S.K」と刺繍された場所が見えていて、もうこれはあの旗とすぐにわかる。

「私だけじゃこの岩どかせないの。押してみて」
「おうっ!」

俺は大きな声で返事をすると、その岩に手をかけ一気に押した。
2年前懇親の力を出してどかしていた岩は、何の手ごたえもなく動く。

「ソラ、力ついたな」
「だろ?冒険のおかげだよな!!」

リクが笑ってそう言った。でもそういうリクはもっとかっこよくなって、背も伸びた。
まだまだ俺はリクに負けてばっかなんだ。

すこしほこりっぽくなった布を引っ張り広げると、やはりあの旗だった。