二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: とある暇人の超圧水砲 ( No.2 )
日時: 2010/04/02 17:44
名前: 鯖味噌 ◆/UYeS30HBo (ID: ZEtdBFlK)

【第二話】

「と・こ・ろ・で、てめえはいつからここにいたんですの?」
「部屋でクーラーと戯れてたら、9時ごろ親に家追い出されて、それからお前に会った今現在12時まで」
「3時間も? 随分と暇そうですわね」
「まったくだ」
白井は一つため息をつき、哀れむように空を仰いだ。

「学園都市を守る風紀委員の一員がこんなことでは沽券に関わりますわ……」
「まったくだ」

学園都市——関東平野の西の方に作られた、東京都の3分の1ほどの大きさの、なんたらかんたら教育機関の都市。
教育機関ということもあり、学園都市の総人口230万人のうち8割は学生。俺もその一人に入る
ところがこの学園都市、ほかの都市には総じて有る事のない、特別な授業がある

「だが超能力をセクハラ行為に使用するやつに言われたくは無いんだが」
「使い方は人それぞれですわ」
それが——能力開発
学園都市内の全ての学生が、能力開発を導入した授業カリキュラムを受けており、みなみなが超能力を学習している
もっとも、人によっては超能力が目覚めないらしい。幸い俺は超能力を使える。ちなみに俺の前で、胸を張る白井も使える。変態のくせに
さらに、超能力の熟練度によってレベルが決まっており、レベル5からレベル0までランク付けされている。
一番上がレベル5、一人で軍隊に立ち向かえるとか。この学園都市に7人しかいない
そして下がレベル0。レベル0はまたの名を無能力者という
俺はレベル3。便利と感じる程度の強さらしい。なんだよそれ。ちなみに俺の前で、胸を張る白井はレベル4。変態のくせに

「さあさあさあさあ、とっとと仕事をしなさいな。暇人さん」
「まったくだ」
俺は重い腰を上げ、体が反り返るぐらい大きな伸びをする。続いて軽いストレッチを1分ほどして体をほぐす。
そんな俺を不思議に眺めている白井の後ろを指さし、声を上げる

「あ! 御坂さん!」
「!? お姉さまですって!!!」
チーターもびっくりの速さで後ろに振り向いて、獣のごとく御坂さんを探す白井を見て、俺は回れ右。





そして脱兎のごとく全力疾走

「……居ないではありませんの。いったい何を勘違い——あ!! ちょっと! 待ちなさい! このニート!」
俺の策にひっかかった哀れな白井を視界に入れつつ、俺はそこから逃走する

「まったくだ……と言うとでも思ったか! 俺は、ほのぼのライフを手に入れるんだ! 邪魔はさせん!」
憤怒の表情をしていた白井は、次の瞬間不敵な笑みをこぼした。そして、そのまま演算を始める

「ふ……無駄ですわ。ワタクシの能力をお忘れになって? 空間移動テレポートに鬼ごっこで勝てるとでも?」
「それができればな」
「——ッ!」
俺の言葉の直後、白井の顔面にサッカーボールほどの大きさの水が生まれ、そして割れた。その水は容赦なく白井へと降り注ぐ
顔面を水浸しにされた。というか俺がした白井。当然先ほどまでの必死の演算は中断。
再度演算をする前に俺は公園をでて、道路にあふれる人ごみの中に紛れ込める自信がある。故に俺の勝利。故に俺は晴れてほのぼのライフの獲得。世界で最も素晴らしい三段論法の出来上がりだ
当の敗者である白井は、びしょびしょ顔のまま怒りに肩を震わせ、あらんかぎりの大声で叫ぶ

「てめえだけは殺しますわ!!」
「だが断る」
それに対し、俺は全速力で走りながら律儀に返答した