二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【超電磁砲】とある暇人の超圧水砲 ( No.4 )
日時: 2010/04/05 11:28
名前: 鯖味噌 ◆/UYeS30HBo (ID: ELEtmaFx)

 【第三話】


「——チッ! 逃げ足の速い奴ですわ」
「………………」
「まだ遠くには言ってないはず……。しらみつぶしに探すしかないですわね」
「………………」
去っていく足音。耳をすませ、音が遠くに行くまで待つ。——行ったか?
保険のため数十秒待って何もないことを確認し、俺は公園の出口脇に生えていた草むらから外に出た。
白井は、俺が身を簡単に隠せる道路の人ごみに逃げると踏んだのだろう。それを逆手にとった。うん、さすが俺

「さて……これからどうしようかね?」
俺は辺りを見回す。ずっとここにいるのはまずいだろう。白井が帰ってくる可能性もあるしな
とりあえず喉がカラカラだからなんか飲み物ほしい。そういえばこの公園に自動販売機があった気がする
俺は灼熱の太陽のもと歩き出した。
自動販売機を求めて

そして練り歩くこと10分ほど。記憶と勘を頼りに進んでいった俺の足は、見事正解を引き当てた。途中迷ったことなんて問題ではない
俺の背丈より頭一つ分ほど高く、身にまとった鮮やかな深紅の色はまるで俺を祝福しているかのよう。
——に見える、多分今の俺なら赤だろうが、青だろうが、黒だろうが、錆鉄御納戸色だろうが祝福されていると感じるだろう。10分の重みはでかい
うだるような熱気でどうにかなりそうな頭に耐えつつ、震える足に耐えつつ、自動販売機の前に立ち、ポケットから出した財布を開ける。

あ、二千円札しかない。そういえばなんかいいことありそうだから入れたんだっけか。
使うのは若干躊躇するが、背に腹は代えられんというやつだ
財布から二千円を償還し、自動販売機のお札投入口へ入れる。そしてボタンを押そうとした——が

「お? ボタンのランプがつかない……だと?」
全くボタンが点灯していない。まじかよ。二千円で不満というのかこのポンコツ自動販売機めが
しょうがないから払い戻しのレバーをガチャンとひねる。また二千円と会えると思えばいいだろう——が

「あれ?」
出てこない、俺の二千円が。
もう一度ガチャンとひねる。出てこない。更にひねる、ガチャン。出てこない。
ガチャン、ガチャン、ガチャン、ガチャン、ガチャン、ガチャン、ガチャン、ガチャン、ガチャン、ガチャン
総回数13ガチャンをしてみるものの、自動販売機は動かない

「嘘だろ……。畜生! 返せ! このやろう!」
しかし、自動販売機との言葉のキャッチボールは続かない。
俺に残されているのは自動販売機への敗北を認めるか、はたまた更にガチャンを繰り返すか……
ここであきらめるものか! 俺は二千円と再び会うんだ!

「いくぞ! 北斗神拳究極奥義。ファイナルガチャン無双の舞い!!——」



「ちょっとアンタ。そこどけなさいよ」
技名をカッコ良く叫んだ俺に、かかったのは一つの声。戦闘態勢に入っていた俺はうっとうしいようにそちらを見た
そしてそこにいる人を見て絶句

「え、えええええと、も、ももももしかしてあなたは……」
「あら、私のこと知ってんの?」
知ってるも何も……。とんでもない人と会ってしまった。
白井と同じ常盤台中学の制服を着ているこの、短髪茶髪少女。少女といっても年上の中学2年生なんだが。
それだけではない。この学園都市、レベル5の超能力者は7人いると言ったが、その中の第三位に君臨する電撃使い(エレクトロマスター)
それが、目の前にいる少女。御坂美琴さん

通称——超電磁砲レールガン