二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 一般人からアイドルへ〜私はボーカロイドを歌う〜(オリキャラ募 ( No.3 )
日時: 2010/04/03 09:45
名前: 彩香 (ID: F35/ckfZ)

№2「歌…。授業以外で歌ったことないの」

「どうしよう、私…」
「どうしたの?」
「音楽の授業以外で歌なんて歌ったことないんです」
「うそ!?『嵐』とか『ジャニーズ』興味ないの!?」
「知らないんです…」
「まぁ、歌は俺達も初めてだな」
「そう言われてみればそうだよね」
「ま、お前達も不安だろ?だから、これからボイトレ。ほら、さっさと行くぞ!」
金城さんって強引なんだよね。まぁ、そこがいいところかな?承認しざるを得ないっていうか…。逆らったら怖いんだよね。
そして赤のオープンカーという派手な車に乗せられた。

「おーい、さくら!テツ!こいつらだよ、連れてきたぞ!」
「お!誠か!んじゃ、俺は剛と咲夜担当なんでね。美麗はさくら」
「はぁ…」
出会っていきなり呼び捨てですか…。
「貴女が美麗ちゃんね?私は坂野さくら。美麗ちゃんの担当をすることになりました。宜しくね」
「はい、宜しくお願いします」
よかった、普通そうな人で。
「じゃあまずは『ロミオとシンデレラ』いきましょうか。まずは聴いて歌詞とメロディーを覚えてちょうだい」
「聴き取りづらい声ですね」
ロミオとシンデレラって…。普通ならロミオとジュリエットだよね。
「そうなのよね。まぁ、歌詞があるからそれを見て」
「はい」
『私の恋を悲劇のジュリエットにしないで 此処から連れ出して そんな気分よ』で始まった。
『パパとママにおやすみなさい せいぜい いい夢を見なさい 大人はもう寝る時間よ 咽返る魅惑のキャラメル 恥じらいの素足を絡める 今夜はどこまでいけるの』
凄く可愛い声…。こんな声で私が歌えるかしら…。
『噛みつかないで優しくして 苦いものはまだ嫌いなの ママの作るお菓子ばかり食べたせいね 知らないことがあるのならば知りたいと思う普通でしょ 全部見せてよ貴方にならば見せてあげる私の…』
リズムが速いな…。息継ぎが難しそう。
『ずっと恋しくてシンデレラ 制服だけで駆けて行くわ 魔法よ 時間を止めてよ 悪い人に邪魔されちゃうわ 逃げ出したいのジュリエット でもその名前で呼ばないで そうよね 結ばれなくちゃね そうじゃないと楽しくないわ ねぇ私と生きてくれる?』
恋なんてしたことないし…。上手に歌えるかな…。
「でね、あと『右肩の蝶』と『最後の王女』を毎日聞いて、明後日までに覚えてもらいたいんだけど…。いいかしら?」
「はい、頑張ります」
そして少し『右肩の蝶』と『最後の王女』を聴かせてもらった。
「家にレコーダーある?」
「いえ、ありませんけど…」
「じゃあ、これあげるわ。これ使って聞いてね」
アイポットとCDレコーダーをタダでもらった。
「あ、美麗ちゃん。今帰るとこ?一緒に帰ろうよ」
外にはもう二人が待っていた。
「有難うございます」
「…どっちだ?」
「こっちです」
「あ、ちょうど同じ方向じゃん!ちょうどいいね」
「そうなんですか」
そして5分ほど歩いた。
「私、ここです」
「うわ!同じアパート!」
「偶然だな」
「本当、偶然ですね。私204号室なんです」
「俺は202!」
「…203」
「お隣さんですね」
こんな偶然があるんですね。
「ここ、防音しっかりしてるしいいよ!」
「それは助かりますね。じゃあ、また明日」
「バイバーイ!」
奥井先輩はよく話しかけてくれる。宇和川先輩は口数が少なくて、今日の時点ではあまり会話をしていない。
「さ、聴かなきゃ」
そして、貰ったばかりのレコーダーに今日貰ったCDを入れて、ロミオとシンデレラだけ完璧に歌えるようになった。