二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナイレ 『一人の少女の辛い過去』 ( No.1 )
日時: 2010/04/06 21:01
名前: 桃 ◆8FGTmWBuVw (ID: 2vs8PEO6)

『1』 雷門中に転校!?

「なんですってえぇぇぇぇぇぇぇ!?」

今大声で馬鹿みたいに叫んでいるのはこの森下凛、つまりあたしよ。また転校するみたいなの。お父さんの事情で全て動いてる。そんなの嫌だった。せっかく慣れかけてきたのに……っておもってしまう。

いつもそう、仕事の急用などを使って転校、引越しをしている。今回で何回目だろうか、嗚呼たぶん16回目だろうとおもわれる。

これで最後にしてほしい…そもそも人を信じれなくなったのは…、あ!もういかないと遅刻する。

あたしは自分の姿を鏡で確認すると、ガーディガンを着て家をとびだす。この時間帯は車も少なく女一人で出歩いていても大丈夫なわけだ。あたしは、緑色のアーチを潜り抜けると大きな門が見える。

茶色い看板には薄い文字でこう書かれていた。『雷門中』と……。やっとついた。ここにつくまで何分かかったとおもうの……。と、ともかくはいってみるしかないわね。

門をくぐりぬけ、校長室にはいるとそこにはとても顔つきのよい先生が満面の笑顔でいる、まるであたしを待っていましたとでもいうように……。その男、ではなかった。その女が二言三言はなしてからあたしは気づいた。あたしの担任はこの『女』なんだと……

「さぁ、凛ちゃ……んだったわね、ついてきて、この教室が凛ちゃんが生活するクラスといってもいいわ」

あたしは扉をゆっくり開けた。途端、騒がしさも消え、男の子と女の子の入れ混じった声があちこちから聞こえる

「え、誰誰〜?そのこ、可愛い〜〜〜〜」

「誰だ〜?可愛い〜〜〜〜」

あたしはいつでも冷静だからこういうことになっても騒がずコホンと咳払いを一つするとあたしは何とか自分の気持ちを抑えながらも自己紹介をした

「あ、あたしは森下凛、え……えっと、よ……よろしくね」

かなり会話が途切れ途切れだったとおもう。それでも皆真剣に聞いてくれる、何だかあたしも人を信じることができるかもしれないとおもった。先生が言葉を付け足す。

「凛ちゃんはね、幼い頃虐められて、引越しばかりしているから友達もいないの。仲良くしてあげてね?」

ちっ……一々いわなくていいのに……。

オレンジ色のバンダナをつけた男の子があたしの前までくると笑顔ではなしかけてくれた。

「よ!俺円堂 守、わかんねぇことあったらいえよな!」

「あ、う、うん」

一応返事してみる。でないと、相手ががっかりするだろうし、それにあたしが冷たい態度をとれば相手だってあきらめ……!!

なんと円堂君の顔があたしのま近くまできてて口と口がもうすぐで近づくほどになっていた。でもあたしは円堂君から一歩後ずさりしてからいってしまった

「いきなり……なに?」

あぁ、素直になれないんだもん…嫌われる、嫌うがいいのよ。皆……

でも円堂君はますます気に入ったのかあたしの手をとると円堂君の横の席に座らせようとする。

「座れって、な?」ニコ

「え…ご、ごめんなさい。先生がきめているらしいから…」

といいながら先生をみると、先生はウインクをなぜかしている。どういうことだ?まさか、ここでいろと?

「あの…ウインクではなく、きちんと言葉でいってもらえませんか?」

沈黙が続き先生は汗ばんだ顔で「そ、そうね」といいながらあたしをツンツンで髪の白い男の子の隣に座らせた。ツンと済ました態度、普通の子なら気にならないはずなのに、皆目を輝やかせている。

「えーと、何?」

「いや、なんでもない、きにするな」

隣の白い髪の男の子がフッと笑うと黒板のほうに視線をうつす。何が?って言い返そうとおもったけどやっぱやめた。後ろからツンツンと肩をたたかれる。

「は、はい?」

「俺一之瀬一哉、よろしくな?凛」

「あ、は、はい」

「あたし秋〜、よろしくねぇ」

「は、はい」

正直いって人と話すことが嫌いだ。次の休み時間になったら真っ先に人がいないところにいってやる!!