二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケスペ†君の傍に†番外編UP ( No.45 )
- 日時: 2010/04/29 16:21
- 名前: 天月 ◆MoYaKs53do (ID: ixDFu4/i)
#10 逃げて、探して、見つけて
ここは、とあるアジト
そこには、翠の髪の者と、“金瞳”の少年が居た
「……なるほど、ココに居れば、貴方の言う“奴”
から逃げれる…という訳ですね?」
「逃げてなんかねーよ……ただ、身を隠してーだけだ」
「同じ事ですよ。…まぁ、丁度良いです
私達も今“仲間”を必要としていたのでね」
「は………?」
***
「ったく、ゴールド…何処に居るのよ…」
ユウナはゴールドの居そうな場所を徹底的に探し続けていた
あの特徴的な前髪、すぐに見つかるだろう…
と思っていたが中々見つからない
同じくボールから出て、ユウナと共に探しているルナが言った
『あ。ユウナ、暗くなってきたよ。帰らないと心配するよ?』
「月光ポケモンでしょうがアンタは!!! まだ日があるから探すの!」
『そうだけど……。っていうか、随分必死だね』
そう訊かれ、ユウナは走る足を止めた
ユウナ? とルナは俯いているユウナの顔をのぞくと
ユウナは今にも泣き出しそうな顔をしていた
「……もう、私みたいな思いは誰にもさせたくないの……
人に“人形”として、扱われる姿はもう、見たくないの……!!」
『ユウナ……。よし、もっと探そう!! ゴールド、きっと待ってるよ!』
ルナ……、と消え入りそうな声で呼ぶと、ルナはニコッと笑いいつの間にかユウナの頬を伝っていた涙を舐めた
「ありがとう、ルナ。よし、じゃぁ次はどこ探そっか」
『ん〜………あ。ウバメの森…とか?』
「ウバメ……ありえるかも。よし行こう!!」
『うん!!』
ユウナはウバメの森に向かって走り出し、ルナもそれについていった
もう日は落ちかかっていた
—そのユウナを、見ている人物が居たのは、二人(一人と一匹)は知る由もなかった
「……彼女ですか? “アルセウス”の力を受け継いでいるのは」
「………………あぁ、そうだぜ。でも、何でユウナを?」
少年がそう訊くと、彼は不敵に笑い
「我々“ロケット団”が世界の王になるためにアルセウスが必要なんですよ。お分かりいただけましたか?」
「………世界の、王……?」
金色の瞳が揺らぐ、代わり、翠の瞳は以前、悪に染められたまま揺るがない
「えぇ。言葉通り、世界…この世界の王となるのですよ、我々の首領……サカキ様はね」
そう言った彼の笑みは、背筋が凍るほど冷たかった
その笑みを直に見た少年は、立ちすくんでいた
「さ、ウバメの森に行きますよ。……どうしたんですか」
「あ。……あぁ」
続く