二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケスペ†君の傍に†13、14、15話UP ( No.61 )
日時: 2010/05/08 20:02
名前: 天月 ◆MoYaKs53do (ID: ixDFu4/i)
参照: 7章終了後 *君緒は7章と平行してた

#17 ありがとう、とだけ

マサラタウン、レッド家
まだ朝は早いというのに、玄関のチャイムが鳴る
グリーン…なわけない。だとしたら誰だ?
と疑問をもちながら、彼はドアを開けた

開けたとたん、自分の腕の中に倒れてくる「何か」
……それを理解するのに、随分と時間がたったように思える

その、人物は………

「ゴー、ルド!?」

全身満身創痍のゴールドが、倒れていた。否気絶していた
とりあえず、ソファに寝かせて、全員に連絡を取った


          

何故一番遠いのに一番最初についたのはユウトだった
多分、超スピードできたのだろう。よく振り落とされなかった。と言いたい
次に来たのはブルーとシルバー、そしてグリーンとクリスタル。次にイエロー
最後に、ホウエン組が来た

そのころ、ゴールドは目が覚めた

「ん………あ、れ、先輩達に、みん、な………?」
「ゴールド!! 良かった………」
「ユウト……。おま、恥ずかしくねぇのか……?」

ユウトはゴールドが目覚めた刹那、喜びでゴールドに抱きついていた
まぁ、慣れているといえば慣れているのだが

「あ、ごめん。……つい………」
「いや、心配してくれて、ありがと、な」
「戻ってきてくれて、嬉しいよ、ゴールド」
「先輩………スイマセン、ッス」

暫くの間、ほのぼのとした再開が見られたが
彼の言葉によって緊張が走った

「で、ゴールド。お前……何があったんだ」
「………あぁ、全部話すよ
俺は、ロケット団に匿ってもらってた。許可とってくれたのは、“ランス”っつー幹部の一人なんだ」
「…父親から逃げるために、か?」

そう訊くと、ゴールドは目を見開いたが、その後、あぁ。と頷いた

「それで、如何してユウナが?」
「……アルセウス、を、呼び込むために。だと……
ユウナが大人しく従うわけ無いのに
というか、俺がここに居るのも、ユウナのお陰、なんだけどな………」
「……ってことは、ユウナは…まだ、そっちに?」
「あぁ…。俺に逃げるために、チルタリスを貸して、実質、4匹でランスに挑んでるよ、今頃」

人事のように聞こえるが、ゴールド自身だって自分を責めている
護れなかった自分に腹が立っていることくらい、判ってる

「……なら、今すぐ行こう。ありがとう、ゴールド」

ユウトは立ち上がり、ゴールドに笑いかける
何故、このタイミングで「ありがとう」なのだろうか
その真意は、きっとユウナにしか判らなかっただろう


「なん、で……礼、言うんだ………?」

そう訊かれ、ユウトは怪訝そうに見た後、また微笑んでいった


「ゴールドが、生きてること、無事だったこと、ユウナが、ゴールドの言ったとおりに、無事だったから。だよ」

それら全てひっくるめて、「ありがとう」と。彼は言った
それが、引き金に、ゴールドは今まで溜め込んでいたモノ全てを、「泪」として流した

「ゴールド…?」
「あり、が、とう。許、してく、れて……!!!!
俺、ず、っと、じぶ、んが、ゆる、せなかったのに……!!!!
死にたい、って、ずっと、ずっと、おも、てた。
でも、死、でいい、人なんか居ないって。言ってくれ、た」
「うん、うん……」

気づけば、ゴールドはユウトに抱きついていた
ソノ中でゴールドは泣いていた
ユウトは何も言わず、ただ、「うん」と言っていた

「い、つも、虚勢、張、てた!!! 嘘、姿してた!!
こ、しないと、こわ、れちゃ、かと思ったから…!!
だから、羨ましかった!!! 真っ直ぐ、に、生きてる、ユウトが、ユウナが、つよ、くて、羨ましいって、おも、てた!!!!!」
「うん、うん。………!!!!!!!! 頑張ったね、えらいよ、ゴールド……!!!」


ずっと、今まで一人で頑張ってきたんだね。
偉いよ。そして、ありがとう。言ってくれて。
でも、もう大丈夫だよ。皆が居るから。もう、大丈夫
皆で戦おう?


          ***



「ぐっ…あ……ひ、きょう、ね………」
「ふん、卑怯はロケット団の褒め言葉ですよ、知らなかったんですか?」
「じゃ、あ……卑怯で、憎たらしいね、ロケット団、………う、あぁあ"あぁ!!!!!!」


痛い?こんな痛さ、もう慣れたよ—————!!!


続く