二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: バトテニ−限られた時間で、限られた命で、限られた愛を− ( No.7 )
日時: 2010/04/17 18:07
名前: 亮 (ID: nWdgpISF)






ここでこうして再会できたのは、運命なんですか? 神様



「弥・・・・?」

森を彷徨う弥の前に現れたのは、間違いなく宍戸で。
弥は飛びついた。

「宍戸!」(弥)
「うぉ、何だよ、危ねェだろーが」(宍戸)
「だって、嬉しくてさ」(弥)

弥は宍戸を力一杯抱きしめた。
宍戸の体温を、より強く感じるために。

「痛ェよ」(宍戸)
「あは、ごめん」(弥)

弥と宍戸は、つきあい始めたばかりだ
弥はテニス部マネージャーで、宍戸はテニス部員で。
知らぬ間に惹かれ合っていて、皆の協力もあって、今がある。
この修学旅行で、もっと、もっと、仲良くなれればなァなんて思っていたのに。
まさか、こんなコトになるなんて。

「ホントだったら、今頃なにしてるのかなァ」(弥)

弥が伸びをしながら、宍戸に訊いた。

「飛行機にでも、乗ってる頃だろ」(宍戸)
「飛行機、私たち隣同士の席だよね。 確か」(弥)
「そうだな」(宍戸)

隣の席で、お菓子交換しようとか、トランプしようとか、いろいろ計画していた。
少しでも、たくさんの思い出を作ろうねって、約束した。



「まァ、いいや。 ここでだって、宍戸の隣に居られるからさ」(弥)



隣に居られれば、それでいいよ。

「何言ってんだよ」(宍戸)
「本当だもん、いいじゃん」(弥)

宍戸は顔を赤くしてそっぽを向いた。

「こっち、向いてよ。 寂しいじゃん」(弥)

弥はからかい半分で宍戸に言う。
宍戸は意地でもこっちを向かないつもりで。

「バーカ」(弥)

宍戸が隣に居ないときは、不安と悲しみでいっぱいだったココロが、今笑っている。
不思議と、不安は消えていた。








「ねェ、好きだよ、これからもずっと、」(弥)







この命が消えても、ね。
ずっと、ずっと。
そうすれば、不安も何も無くなるから。
生きたいなんて、言わないよ。
ただ、宍戸が側にいてくれれば、それで。

それだけで、ココロが軽くなる。


今度は宍戸が、弥を強く抱きしめる。
知らない間に、ここから消えてしまわないように。

「宍戸・・・?」(弥)
「馬鹿野郎」(宍戸)
「は?」(弥)

宍戸の力が、一艘強くなった。

「改まって、んなコト言うなよ」(宍戸)

愛しくて、苦しい。
今、この腕の中に居る彼女が、次の瞬間には消えてしまいそうな気さえした。
その言葉は、別れの言葉のように聞こえて。



「ずっと、一緒にいるんだろ」(宍戸)



この気持ちを、何度も何度も、確かめ合う。
宍戸の問いかけに、弥は静かに頷いた。

「勝手に逝ったりしないでね。 死ぬのも、一緒だよ」(弥)

一生のウチで、きっと1番強い、弥のワガママ。
生きれなくても良いから、他の人に会えなくてもいいから。


ああ、神様。
このワガママ、きいてくれますか?















もう、離さない。
絶対に、離れない。
好きだよ、これからもずっと、
神に、引き裂かれようとも。