二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 涼宮ハルヒの願望<復活初仕事> ( No.19 )
日時: 2010/05/02 15:53
名前: みやっさん ◆E53IZBWzfE (ID: jKdoc0Od)
参照: 間欠、簡潔、完結に!3K!!!

第七話

「ハルヒを元に戻そう、そしてもう一回、元の世界に……!」

長門はミリ単位の承諾の頷き。朝比奈さんは明るい顔になって
「はいっ!」と返事。
古泉は微笑み、
「じゃあ、手始めに策を練りましょう。まずはそこから、ですね」
「ああ……」
「キョン君……」
すると控えめそうに朝比奈さんは何かを持って俺を呼ぶ。
「あのぅ、これはどうでしょう、キョン君と古泉君が記録してた……」
SOS団記録集だった。
「これなら、少しの策は練りそうですね」
と、古泉は言う。
「随分とタイミングがいい時にきたもんだ——やっぱりお前らは、超能力者だな」
と俺は上から言うように褒める。
「いいえ、全く予測はしてないですよ。期待もしてないですし、」
「その割に、楽しそうに書いてたよな。お前、」
「ええ、まぁ……」
と古泉は訝しげに記録ノートを見つめる。
「まだ、この記録集はあんまり日数が足りないでね。一ヶ月位あれば……」
と、よーく見てみると、始めたのは四週間前、つまり
そろそろ一ヶ月だ。しかし、俺の性格でもあって、俺が本格的に記録を始めたのは、ハルヒにごたごた言われた後だから……述べ二週間くらい前か?
「人を、改心させる事、つまりその人にとって、一番
大切な人に改心させてもらえるのがベストって言われてます」
「どういう事だ?」
「つまり、涼宮さんにとって一番大切な人はあなたです」
何だ? いきなり恋の悩みに答える女子高生のような返答は。
「ええ、だから、そうなんです。言い換えると、「好きな人に言ってもらいたい」、と一緒です」
やめろ。男に言われたくないや。お前はたまにそういうことをサラッと言うな。女子が二人もいるのに、そういう事は朝比奈さんに言われたいよ。
と、古泉は「すいません」、と謝罪。しかし、
「だけど、こうなってしまったら、あなたはあと、二週間、記録を頑張ってもらわないといけません」
「ん……そうだな、」
と俺が言おうとした時、
「それは難しい」
と、今日はじめて聞く長門の声だ。
「何でだ? 長門」
「……二週間ではいつ情報爆発が起きる可能性が高い
こうなると、いつ世界が変わってもおかしくない」
「なっ……情報……爆発?」
「いつぞやの「閉鎖空間」です。あの時涼宮さんと二人っきりになったあの」
思い出すとトラウマになる、いつぞやの「閉鎖空間」。
あの灰色空間暴れまくる『神人』ハルヒの生理的なストレスから生まれたもの。それの具象となったのが『神人』だ。
今でも、どうやって俺は助かったんだろうと思ったし、ハルヒの隙の心を見つけだせて脱出することができた。方法は言わんがな。

「じゃあ、どうすれば!!」
気が付いてたら、俺は焦っていた。焦っていても何も
始まらないのは分かってるのに。
「現代では二週間がタイムリミット。しかもこの時間平面の二週間の展開では「涼宮ハルヒを観察」する部類には入らない」
長門が口にする。
「過去の二週間で時を展開させる」

「…………」
「ちょい待ち」
ここで俺が制止。
「つまり、……もうこの現代で記録集をどうこうするっというのは、」
「不可能」
長門が即答した。
「で、でもな? 過去を展開させるって、時間は現在進行形で進んでいるのに……、」
これは常識の筈。
一度辿った世界は何もしても行けない、当たり前だ。
「本当に無理だと思いますか?」
ここで古泉が発言に入る。
「涼宮さんは全てを現実には変えてないのです」
「だから?」
「朝比奈さん、ちょっと、宜しいですか?」
「え……あ、はい」
古泉は朝比奈さんを呼び出し耳打ちをしている。俺の
前で耳打ちっというのはさぞかし不愉快だが、結構真剣そう密談を行っている。
そこで気になるのが言葉のあちこちに朝比奈さんの驚き声、「無理ですぅ」、の否定語。俺を不安そうに見つめる。? 何なんだ?
そして、
「ちょっと……聞いてみます……」
と、朝比奈さんは言い、部室を出る。
………
……

「お前、朝比奈さんに何を話したんだ? 随分と困ってたぞ」
「ええ、僕はかなり無理難題を言ってしまいました。でも、きっと行ける筈です」
だから何を……。
と、思いかけた刹那——。
朝比奈さんが帰ってきた。
疲れた顔つきでだがかなり明るいかを立ちになった。

「古泉君……凄いです……通じました……」
「それは、さすが涼宮さんに選ばれし者です」
「何だよ、さっきから……、」
ずっと二人のターンに飽き飽きしてた俺の目の前に、
「キョン君、今から言う「とても大切な事」、を良く聞いてください」
とても真剣な顔で、朝比奈さんは俺に言う。
「……はい。分かりました」