二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボーカロイド曲小説 ( No.10 )
日時: 2010/04/27 21:19
名前: 悪ノ娘 ◆Qd6XA/vkyQ (ID: F35/ckfZ)

-リグレットメッセージ- 生まれ変われるならば

君はいつも私の為に何でもしてくれた。『緑の国を滅ぼせ』っていう酷い命令にも従ってくれた。あんなの、私の中で片付けてしまえばよかったのに、君を悲しませて、それなのに私は満足して。すっごく我儘だね…。

願いを叶えてくれる君、もういないから…。でも、それも全部私のせい。裁かれるべきは私だったのに、私の為に死んだ君。…どっちが馬鹿か解らないよ…。

「うぇっ、うっ、ううっ…」
声を殺して泣く癖、ついちゃったのかな…?

流れて行く小さな願い。涙と少しのリグレット。
罪に気づくのはすべて終わった後…。

流れて行くガラスの小瓶。願いを込めたメッセージ。
水平線の彼方に静かに消えて行く…。

『リン、リン…』
「レン!?」
『久しぶり』
「レン、レンなのね!?」
『そうだよ。よかったね、リン。君は一人ぼっちじゃないんだよ。ボクがいなくても平気だよね?』
「少し寂しいけど、メイコさんもカイトさんも凄く優しくしてくれるの」
『そっか、よかったね』
「レン…!?」
レンの足がだんだん消えて行く。
『もうすぐバイバイだ。少しだったけど、楽しかったよ』
「待って!」
声が出ないほど驚いたけど、必死に声を絞り出した。
『何?』
優しくてふんわり包み込むような笑顔で私を見てくれる。
「もしも、生まれ変われるならば…」
『…』
ごめんね、リン。最後まで聞きたいけど、ボクはもうここまでだ…。

「また昔みたいにたくさん遊んで、いっぱい笑おうね…」

「ん?どうした?寝言??」
「メイコさん…?」
「風邪ひいてない?アンタ、町はずれの小さな港で寝てたからびっくりしたわ!倒れてたわけじゃないでしょ?」
「うん、大丈夫。心配掛けてごめんなさい」
「いいのよ、無事なら問題ない。で、なんであんなところに?あっ、もしかしてカイトが言ってたこと試したの?」
「うん…」
今までのことを思い出して少し泣きそうになる。
「で、願いは叶ったの?」
母親のような優しい瞳で頭を撫でながら聞いてくる。
「うん、レンが会いに来てくれたよ」
「そう、よかったわね…」
少し切なげな瞳で笑う。
「うん…」
最後にレンがくれたペンダントを胸の上で握り締めながら、最後にレンと会えた喜びを感じていた。

もしも生まれ変われるならば、その時はまた、たくさん遊んで、二人でいっぱい、いーっぱい笑おうね。