二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボーカロイド曲小説 ( No.11 )
日時: 2010/04/27 21:17
名前: 悪ノ娘 ◆Qd6XA/vkyQ (ID: F35/ckfZ)

-白ノ娘- 生きていてごめんなさい

「生きていてごめんなさい」
いつの間にか口癖になっていた自身を否定する言葉。

私は仲間はずれ。村の人は皆綺麗な緑の髪をしている。なのに、私は白い髪をしている。そんな私に友達はいない。
私は、村の奥で密かにそびえたつ千年樹にいつも願いをかけた。
「誰でもいい、私の友達になってほしい…」
千年樹は、私の願いを叶えてくれたのか、はたまた嫌みなのか…。村の中の誰より綺麗な髪を持つミクちゃんを友達に選んでいた。
「…大丈夫…?」
『触らないで!』と言われると思った。絶対にいつもそうだった。転んでいる小さい子を助け起こしても、その娘のお母さんが『うちの娘に触らないで!』という。
「んっ、ありがとう…。貴女、ハクちゃんだよね?凄く優しい人なんだね!」
「…!」
その優しい笑顔を私にも向けてくれた。誰にでも平等に振りまくその笑顔。私にはないものだと思っていた。

人の目を盗んでここでいつも会っていたら、二人はいつの間にかとても仲良くなった。誰よりも固い絆で結ばれた。
でも、そのうちに疑問がわいてきた。
「何でこんな私にも優しくしてくれるの…?」
「もう、何言ってるのよ!髪の色が他の人と違うからなんてだけで人を差別したりしないよ!それに、ハクは誰より優しいもの!」
私を抱きしめて、囁く。その言葉に涙が流れた。

たとえ世界のすべての人が蔑み笑っても、ミクがいればよかった。必要としてくれている人がいるだけで幸せだった…。