二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボーカロイド曲小説 ( No.4 )
日時: 2010/04/26 22:11
名前: 悪ノ娘 ◆Qd6XA/vkyQ (ID: F35/ckfZ)

-悪ノ娘- 可憐に散った悪の華

昔々あるところに悪逆非道の王国の頂点に君臨してた齢十四の王女様。処刑の時間は午後3時…。

教会の鐘がもうすぐ鳴る。『王女』と呼ばれたその人は、1人牢屋で何を思うのか…。と誰もが気にしている。

「…」
なんで私の代わりに死んでくれるの?私は貴方がいなくちゃ寂しくて生きていけない。貴方が死んだあと…。私も死のうかな…。
「なぁ、カイト…」
「なんですか、メイコさん」
「あれ…」
メイコ…。赤き鎧の女剣士が指差す先には、フードを深く被っても隠しきれない美しい金髪の少年がいた。
「王女…?」
「か、その召使」
「いえ、あれは王女だ…」
あの悪逆ぶりの中に見え隠れする優しさ。今にも泣きそうな顔はその優しさの部分だった。

         ボーン、ボーン…
いつもより重く響く鐘の音は、王女の処刑を意味していた。
「何か言い残したことは?」
「「あら、おやつの時間だわ」」
召使のふりをしている王女も、今は王女の代わりに死を背負う召使と声を合わせて、王女の口癖を言った。

           ガシャン

刃が下りて、王女の首が飛ぶ。その首は悲しくも、召使の足元に落ちてきた。
「うっ、うぁっ、ひっく…」
静かな泣き声を耐えようと唇を噛み締めている。
「…王女」
「っ!!」
誰が私のことを王女と!?
「落としてるぞ。大切なものなんだろ?」
それは、あの乱の民を率いていた赤き鎧の女剣士だった。
「…ありが、とう…」
王女が落とした物は召使とツーショットの写真が入っているロケットだった。
「落とさないように気をつけて下さいね」
そして、もう一人あの軍を率いていた青の王子。
「ありがとう、ありがとう。お二方…」

「あきらめないで生きなよ。召使は王女を助けて死んだんだから」
「貴方が生きなくては召使は無駄死にしたことになりますからね」
「ありがとう…。ありがとう…」
レン、あの軍を率いていた二人は私を許してくれた。何でだろう…?

今まで散々酷いことをしてきた私をあの二人は受け入れてくれた。レンがいなくても、寂しくないよ…。