二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: †銀魂†++小さな恋、大きな勇気++†夢小説† ( No.4 )
日時: 2010/05/13 07:20
名前: 翡翠 (ID: xrNhe4A.)

雨がザーザーと降りしきるなか
私は家を飛び出した。
後ろから聞きなれた声がしたけど
そんなのお構いなしに水にぬれた道を駆ける。

早くいなくなりたい、消えてしまいたい
そんな思いだけでただ前を見て走った

——がむしゃらに、がむしゃらに。




† 第一恋 ..雨、涙━。 †




気がつくとそこはもう私の知っている場所じゃなかった。
知らない街、知らない建物、知らない人
雨の中走ったせいで息は上がり
着物も濡れ身体も冷たい。

もういい加減苦しかったので
河原の土手の処で足を止めた。

上を見上げれば曇天の空
そして降り注ぐ大粒の雫
雫は私の着物や身体をどんどん濡らしていった


私、ここで死ぬのかな?
別に良いや、生きたいなんて思わない。
私は捨て猫のごとく此処で死ぬのがお似合いだよ、きっと

はははは、
勝手に口から笑いが漏れる



その時だった、

「……おい」

鳥肌が立つような低い声音
その声に反応するかのように私の体はビクッと波打った

「なん…です……か?」

ほんとは無視したかったけどそれはさすがに悪いかと
一応振り返らず返事だけしておく

「……年頃の娘がこんなとこで何してんだ?傘も持たねェで?」

ふうーと息を吐く音が聞こえたかと思うと
瞬間、煙草のきつい匂いが鼻を突いた

「っ……放っておいてください。」

煙草の匂いに顔を顰めながらぼそりと言い放つ

男は暫く間を空けてもう一度煙を吐く


「……そーかよ、早く家帰れや、親心配すんぞ。」


「……親なんか…いませんよ」

反射的に出た言葉。
その言葉が戻ろうとしていた男を引きとめてしまった

「ああ?」

もー良いや、
此処で会ったのも何かの運命
この人に全部ぶちまけよう。

そう思い、くるりと男のほうに顔を向ける


「だから私に親なんかいません、捨てられました、住むとこだってもう無いし…っ
 私の居場所なんて何処にもないんですよ!独りぼっちなんです!!
 死ぬしかないじゃないですか!生きてる価値なんかこれっぽちもありませんもん!」


「………!?」

男が吃驚したように目を見開く姿が見えた
けどその姿は何故か滲んで良く見えない

「…御前、泣いてんのか?」

男の声に耳を疑う
泣いてる?誰が?私が?如何して?

聞こうと思って顔をあげた瞬間
何かが頬を伝った



「あ、あれ…?何で涙が……おか、しいな?」

声が震える、手が震える
それどころか寒さに耐えきれない身体が動きを止めようとしていて
意識だってはっきりしない

瞬間。
突然目眩が襲い、立ちくらみまでしてきた



「私……生きた………」

「っ!?…おい!」

身体が宙に浮かび目に映るのは鉛色の空
そして大粒の雨

意識がなくなる寸前
男の声だけが木霊して響いていた