二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 序章☆ ( No.74 )
- 日時: 2010/08/06 13:36
- 名前: 奈絡 ◆nMFqOF/qCM (ID: 3rAN7p/m)
- 参照: http://俺の名はロックオン・ストラトス
妹の境遇に納得できるだけの理屈を、脳内で積み上げてから、俺は混乱したように軽く眉をよせて苦笑を返した。
「・・・・・・怖いところですのね、新選組は、」
「そう。いつ殺されても文句は言えない。こうやって話してるだけでも、いつ【不穏分子】呼ばわりされるかしれないんだから」
俺の顔を覗き込む沖田
は、うっすらと唇に笑みを残していた。
「・・・・・・ね、薫さん」
【わかるよね】。
細められた瞳の奥に、焼け付くような殺意を感じる。面白い。
面白い男じゃないか、沖田総司!
たおやかな美女を捕まえて、敵意を十二分に込めた声で脅しかけることくらい、こいつにとって朝飯前の蛮行らしい
だが、無闇に人を殺す男でもないようだ。命を掴み取る暴虐を欠片も躊躇わない無慈悲の情を秘めていながら、相応の思慮深さも兼ね備えているというわけか。
そんな男が、あらかさまな害意も罪も持たない町人に向ける理由は唯ひとつ。
俺は沖田に疑われているのだ。
この女の姿をした俺を【新選組】の敵である、と直感的に勘付かれている。
「・・・・・・沖田さんは命の恩人です。私は本当に、心から感謝しています。」
社交辞令を誠実そうな口ぶりで伝えれば、外見と相俟ってそこそこ清楚らしくみえるだろう
「ふぅん・・・・・・」
しばらく沖田は俺を見ていたが、やがて口を開き、
「気にしなくていいよ、不貞浪士を取り締まるのが僕らの仕事だし」
そういって、俺に背を向け行ってしまった。
・・・・・・その夜・・・・・・
虐げられているのか、千鶴は・・・
俺は、あいつに何をしたいんだろうな・・・・・・
助けたいのか?そのまま虐げられていてほしいのか?それとも・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれから10日もたったか・・・・・・
俺は今日も妹がどのような生活をしているかを考えながら歩いていた。
すると、ふと頭に思案が浮かんだ。
そうだ、もう一度千鶴のことを調べさせよう
俺は、そう決めると、足早に南雲家へと帰った。
つづく・・・