二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ありがとう〜大好きな君へ〜 イナズマイレブン ( No.163 )
日時: 2011/02/14 17:28
名前: さくら (ID: 32zLlHLc)

心友短編『隣という存在位置』豪炎寺+捺未c



俺には幼馴染みがいる。

本当は頭がいい。でもあまり本気を出さない。楽しいと思う事は普通以上に楽しむ。


そういう、奴だった。


『修也ー宿題見せて』

「・・・捺未ならこれくらい余裕だろ」

『バーカ。それをやらないのが私だっての』


そんな他愛のない話をして。普段と何ら変わらない日常を送っていたのに。

ある日突然、捺未が俺に言った。


『ねぇ修也』

「何だ?」

『私、好きな人出来たかもしれない』

「・・・っ、」


捺未はほんのり顔を赤らめながら言った。

俺にとってはこの時間が最低の時間になった。好きな女から俺以外の男の名前を口に出し、更には“好きな人出来たかもしれない”と言われる。


これ程捺未が嫌になった事は無かった。何で俺じゃ無いんだ。何で・・・。



『でさ、この前話し掛けられたんだー。何組ですか?って』

「・・・そう、か」

『会うと必ず笑い掛けてくれるし、なんか幸せ』


捺未が好きな奴の話をすると、胸の辺りがギュッてなった。好きな奴を想って浮かべる笑顔を壊してやりたい、とも思った。

そいつが同じサッカー部にいるって聞いたときは部活にも行く気が失せて。


『それでね、決めたんだ。修也、私告白しようと思う」

「な・・・っ!」

『ちょっ、修也!大丈夫!?』


心臓が握り潰されそうなくらい痛くて。あまりの苦しさに胸を押さえれば、心配して慌てて顔を覗き込んでくれる、それがすごく嬉しくて。

それでもまだ気付かない俺は相当バカだ。呆れる程に。

次の日、捺未は笑顔で俺に報告をした。


『修也!私、風丸くんと付き合う事になった!』

「・・・そ、うか。おめでとう」




『・・・ばーか。』

「はっ!?」

『今の修也、すっごく嫌な顔してる。』


行き成り何を言い出すんだ。今は話したくないから出来ればあっちに行っててくれ。

そう言おうとしたが、それより先に、急に俺の身体に圧迫感を感じた。俺より一回り小さい、女の子らしい身体。あんなにスポーツやってるのに、そのゴツイ身体は何処に行ったんだ。


『修也、分かりやすいよ。』

「・・・。」

『風丸君と付き合うなんて、嘘だよ。』

「はっ!?」


聞くと捺未は俺をからかっていただけだと言った。いつもの俺なら怒りが込み上げて今頃捺未を瀕死状態にしているが、今回は違った。

“嘘”だと聞いて心から安心しきっていた俺が居た。これで分かった。俺はこんなにも捺未が好きだったんだ。


『・・・だって、私の好きな人は、今目の前にいる馬鹿だから。』

「好きだ。」

『はいっ!?』


“隣という存在位置”
(修也の隣は私だけで十分だし。)(いつも、開けとくから。)