二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

ポケモン二次創作 【金ノ瞳、銀ノ翼】 ( No.50 )
日時: 2010/09/05 23:40
名前: 豆電球 ◆Y6CWE4r6bA (ID: sp0cIx.0)

第二十二章 〜始まりを告げる風が吹く街〜

三日後、四十六番道路
サトル「もう少しでワカバタウンだな。どれだけぶりだろう?」
リオン「う〜ん、大体三週間振りだと思うんだけど?」
ギンガ「・・・お前達の故郷ってどんな所なんだ?」
リオン「えっとね、ワカバタウンは《始まりを告げる風が吹く街》って言われているわ。《若葉》というのも、始まりという意味があるのよ。」
サトル「いつも、風が吹いてるんだ。暖かい、心地いい風が。」
ギンガ「・・・そうか。実は俺、ずっと二人が羨ましいと思っていた。」
リオン「え?」
ギンガ「俺には、故郷と呼べる街が無い。幼い頃から親父に付き添って、転々と移動していたから。」
サトル「・・・なあギンガ、街に着いたら色々紹介してやるよ!俺達の街をさ!」
リオン「私達が生まれ育った街なの。事件については、伏せるように博士には言ってあるわ。安心して見ていって欲しいな。」

ワカバタウン
リオン母「リオン、お帰りなさい!三週間ぶりね!会いたかったわ!リオン、ポケギアにいっくら連絡入れても、取ってくれないんだもの!ママ寂しかった!」
リオン「テンションを何とかしたら、考えてもいいわ。」
サトル「お久しぶりです。ママさん。」
リオン母「あら、サトル君?少し見ないうちに随分たくましくなったわね☆」
サトル「いえ、そんなことは・・・」
リオン「本当にそんなこと無い★」
リオン母「照れなくてもいいのよ?だって二人は幼馴染なんですもの!」
ギンガ「・・・」
リオン「ごめん。気にしないで?いつもの事だから。」
リオン母「あら、何このイケメン君は?」
リオン「旅で知り合った友達。ギンガ君っていうの。」
ギンガ「初めまして。」
リオン母「ふむ、なかなかね。この紅い髪に銀の瞳・・・!?」
サトル「な、何ですか?」
リオン母「・・・リオン、サトル君。少し席を外して貰えないかしら?ギンガ君とお話したいわ。」
リオン「・・・分かった。私達、二階の部屋にいるから。」
サトル「?え?」
リオン「いいから行くよ。」
ギンガ「え?俺に何か・・・」
リオン母「貴方に聞きたい事があるの。ちょっといいかしら?」

二階、リオンの部屋
サトル「な、なあ・・・ママさんは何考えて・・・」
リオン「もしかしたら、ギンガ君の力に気が付いたのかも知れないわね。私達に聞かれたくないって事は多分そうよ。」
サトル「でも、ママさんには力は無いんだろう?」
リオン「そこなのよ。何で気づいたのか・・・」

一階
ギンガ「あの、俺に何か?」
リオン母「貴方にも、リオンと同じ力があるんでしょ?【伝エル者】として。」
ギンガ「・・・初めてですよ、普通の人に見破られたのは。ええ、俺も【伝エル者】です。」
リオン母「私の娘に力があるって分かったのは、十年前、あの子が四歳の時・・・」

以下、回想シーン
リオン「ママ〜、オタチがね〜」
リオン母「何で他のお友達と遊ばないで、ポケモンとばっかり遊んでいるのかな?」
リオン「だって〜みんなが、あそんでっていうの!リオンとあそびたいって!」
リオン母「ほら、お友達と遊んできなさい。皆お外で遊んでるわよ?」
リオン「やだ!リオンのおともだちはポケモンだもん!ほかのこは「分かんない」っていうけど、いってるもん!」
回想シーン終了

ギンガ「親父が俺の力に気づいたのも、俺が四歳の頃でした。」
リオン母「私はその後、ウツギ博士に相談したの。そしたら、何百年も前にリオンと同じような人が居たって教えて貰ったわ。」
ギンガ「さぞ、驚いたでしょう?」
リオン母「ええ。親戚にも聞いたけど、リオンと同じ力の人が居なかったわ。初めは病気かと思った。」
ギンガ「そうですか。しかし、なぜその話を俺に?」
リオン母「博士の話には続きがあって・・・」

以下回想シーン
リオン母「リオンは、普通の子ではないのですか?」
ウツギ「ママさん、落ち着いて聞いて下さい。リオンちゃんは、何百年も前の人間と同じ力があります。予測ですが。その人間は、伝説のポケモンと意思疎通するために存在していたと言われています。そのために自らの命を捧げると・・・」
リオン母「それはどういう事です?」
ウツギ「もしかしたらリオンちゃんも、そういう運命なのでは?」
回想シーン終了

ギンガ「・・・そんな話があったなんて。」
リオン母「私は愕然としたわ。この子は、普通の子として生きていって欲しかったから。だから、あの子が旅立つと言った時、ショックだったの。」
ギンガ「反対はしなかったのですか?」
リオン母「出来ないわよ。あんなに輝いた金の瞳で言われたら。」
ギンガ「分かるような気がします。しかし何故、俺と話がしたいなんていったんです?」
リオン母「さっきも言ったけど、あの子には普通の女の子として生きていって欲しいの。だから、貴方にリオンを守って欲しい。」
ギンガ「何故俺が?サトルだって居るのに。」
リオン母「彼は良い子よ?でも、リオンと同じじゃない。不安なの。でも同じ力を持つ貴方なら・・・」
ギンガ「しかし・・・」
リオン母「貴方しか居ないの。舞妓はんも力があるっていわれているけど、少し違う。舞妓はんは、話をするのではなく、一方的にポケモンの気持ちが分かるだけ。【伝エル者】は貴方とリオンしかいない。」
ギンガ「俺で良いんですか?親戚のマツバさんだって・・・」
リオン母「マツバ君は親戚といったって、少し遠い血縁なの。」
ギンガ「・・・どうしても俺がいいんですね。同じ力の俺が。」
リオン母「貴方がどんな事をしたなんて関係無いわ。リオンの事、よろしくお願いします。」
ギンガ「分かりました。お引き受けします。」
リオン母「ごめんなさいね。無理に頼んで。」
ギンガ「構いません。俺も、やっと力の正体が分かったんですし。」

リオン「何の話してたの?」
ギンガ「いや、少し力のことをな。」
サトル「よっし!次俺ん家!」
リオン「行こー!」
ギンガ「ああ!」
リオン母「いってらっしゃい。」
子供達が居なくなった部屋で、一人の母親は思う。
なぜ自分の娘なのか。なぜ自分ではなかったのか。出来ることなら代わってやりたい・・・

次回へ続く

今回の話は、スランプ打破への第一歩です。少しずつ、やっていきたいと思います。
そのため、今までとは比べ物にならないほど更新が遅くなると思います。(バイトを始めたのも理由の一つですが)
それでも、これからもよろしくお願いします。