二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 願い  —銀魂・トリップ小説— ( No.21 )
日時: 2010/08/16 18:24
名前: 時雨 (ID: fgYvAUM4)

第三訓「意味なんて、大体伝われば大丈夫」

「はいィィ!?」
嘘?冗談?ゴメンなさい。私は日本語しか分からないんです!英語は遠い昔に諦めてましてHAHAHA。

一人での混乱が空しくなってきた頃に。

「実はな…」
と、近藤の説明が入った。

土方コノヤローは最初、施設にでも預けよう、と言ったのだが、心優しい近藤局長がそれは可哀そうだ、と言って女中はどうかと言ったのだが、女中は定員オーバーなるもので、じゃ、隊士として働いてもらおうか。

「ってなことでな」

「いやいや、矛盾しすぎでしょ!そりゃ、置いてもらえるのは有難いですけど…。それに私、剣を握ったことも無いんですよ」

剣を握ったことも無い、と言うのは口実で、本音を言うと怖い。
隊士ともなれば、死と隣り合わせの生活になるのだと考えるだけで、背筋が寒くなる。

そんな気持ちを知ってか知らずか、土方がまた凄いことを言い出した。


「大丈夫だ、俺らだって女に人を殺めろなんて言わねェ。ただ、“沖田の秘書”として働いてもらう」


…は?秘書?隊士の次は秘書ですか!土方コノヤロー。

「オイオイ、土方さん。俺ァ聞いてやせんぜ」
ヘイ、私も聞いてやせんぜ。

「総悟は、アキの指導係を頼む。アキは総悟を監視をしてくれ。あいつはすぐサボるらしいからな」
近藤はそのあと、苦笑いして「困った奴だ」と言った。

微妙にかみ合っていない会話だが、私が沖田総悟の秘書に任命された理由はなんとなく分かった。

「さぁ、そうときまれば、部屋と隊服を用意しないとな」

マンガやアニメの中で、良い人だとつくづく思っていたけれど、本当に良い人なんだな近藤…さんって。

「隊服は──」
こちらは、例によって例の如し、無愛想な土方さん。

「─たしか前、アイドルが着てたやつがあったろ。あれまだあるか?近藤さん」
そう言って、隊服を探しに行くと言って出て行った2人。

そのアイドルとやらはまさか、寺門通ちゃん?
…私、着れるだろうか。

そんなことを考えていると、行き成りスッと目の前に手が出てきた。
手をたどっていくと、当然だが沖田だった。

「ま、ヨロシクな。アキっつったか?」
「あっ、はい。宜しく…お願いします。沖田さん」
差し出された手を握り返す。

「タメ口でいいぜ。喋りにくいんだろィ」

「う…ん?じゃ、沖田って呼んでもいい?」
そう訊くと、「好きに呼べ」と帰ってきた。

その後、しばらく沖田と話をしていると、隊服を探していた局長と副長が帰ってきた。



屯所での新しい生活がスタートする。