二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 願い —銀魂・トリップ小説— ( No.8 )
- 日時: 2010/08/12 11:49
- 名前: 時雨 (ID: fgYvAUM4)
第一訓 「知らない人に名前を訊かれても、教えてはいけません」
さっきまで、目を閉じていても分かるほど眩しかった光が無くなった。
おそるおそる目をゆっくりと開けると、そこは雲が浮かんだ
──空でした。
「はぁ!?」
ちょ、待って!落ちてる!いや、墜ちてる!!
これでお母さんたちのとこに行くの?いや、逝くの?
まだやり残したこと有るのに!まず銀魂世界に行って、銀魂キャラに会って、皆と…
そんな妄想をしている場合では無かったらしい。
気づけば、目の前には瓦の山、もとい家の屋根。
「嫌ァァ!!」
ガッシャーンと、凄い音と共に視界がブラックアウト。
お母さん、お姉ちゃん。
今、会いに逝きますから
☆ミ
誰かが頬をつねる感触がする。
痛いな、畜生。どこのどいつだ。
…アレ?痛いのは体の節々じゃない?
それが分かった瞬間に、痛みが稲妻のように走った。
「い……っつう」
うっすらと目を開けると、天井に茶色い木目が見えた。
へー案外、天国ってジャパニーズなんだな。
「やっと起きやしたか」
あ、天使さんですか?天使までジャパニーズなんですね。まるで沖田みたい。
「目ェ覚めたか、って訊いてんですがねィ」
そう言って、私の片頬をつまんだその顔は…
可愛らしいベビーフェイス。大きな瞳。
何処からどう見ても
「お…きた…?」
あぁ、やっぱりここは天国か。それか、天国に行く前の幸せな夢だな。神様、ありがとう。
でも、沖田がつまんでいる頬は痛くなる一方。
と、つまんでいる力が弱まった。
「俺、あんたと会ったことありやしたか?」
…しまったァ!この状態で悪化させるようなこと言ってどうすんの、私!
「いえ、あのそのー。おき…起きた。はい、起きました!」
苦しいすぎだろォ!他の言い訳考えれなかったの!?
冷や汗が垂れる程の時間が空き、沖田らしき人が立ちあがった。
「まァ、起きたんなら近藤さんたちを呼んで来まさァ」
そう言って、襖に手をかけて何かを思い出したらしく、くるりと後ろを振り向いた。
「あんた、名前は?」
「し…知らない人には名前を教えてはいけないとお母さんが」
オイ!何言ってんの自分!お母さんの顔なんかみじんも覚えてないだろうが!
そうやって自分に思いっきりツッコミをしていると小さな笑い声が聞こえた。
「おもしれェ。俺ァ、“沖田総悟”でさァ。もう一度訊きやすがあんたは?」
「小田切…明です」
それだけ聞くと、満足したように出て行ってしまった自分自身で沖田だ、と名乗った人。
これは、もしや。星に願った、
銀魂の世界にトリップってやつですか?