二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 小さな本棚の中の本達 【REBORN】 ( No.6 )
日時: 2010/08/21 16:52
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

「ツナ!いい加減に現実を見ろ!」

リボーンが声を張り上げた。
俺は、歯軋りをした。

「現実なんか見れないよ!何で綱吉を殺さなきゃいけないんだ!」

バンッと音を立てて俺は机を叩きつける。
手のひらの痛みなんか感じている暇は無かった。

「アイツはボンゴレを裏切った・・・その事実はくつがえらねぇ」
「違う!綱吉はそんな事・・・」

俺は現実を否定する。
否定したところで、何も起こらないと言うことは判っているのに。


(綱吉・・・!綱吉、何で・・・?)


「・・・とにかく、ボンゴレは徹底的にアイツを敵とみなすからな」
「・・・ッ」


——バタンッ


リボーンが部屋を出て行った後、俺は無造作に椅子に座った。

「綱吉・・・」


(判らない、早く、早く連れ戻さないと)


俺はその事だけで頭が一杯だった。

「・・・ツナ、大丈夫か?」
「・・・山本。うん、ゴメン」

俺は山本から受け取ったお茶を飲み干した。
喉は潤った。

「・・・少しは楽になったか?」
「・・・うん」

俺はうなづいて見せた。
山本は何時もどおりの笑顔に戻った。

「・・・なぁ、ツナ。現実を受け止めろって言うほうが無理だけど、よ。少し、考えてみたらどうだ?」
「・・・うん」

山本と居ると、何故か安心する。
俺は溜息を吐いて、一枚のアルバムを取り出した。


「・・・綱吉」


俺と綱吉が映った写真を抱きしめた。






『迷っている敵対心』






(綱吉)