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　　　†プロローグ†

　全てが、闇だった。

　ぜーんぶぜーんぶ・・・闇だった。

　彼は黒猫・・・私は氷蛇・・・。

　いつまで、この籠の中にいればいいんだろう?

　　　　　　　　††

「棗・・・ホントにやるの?」

　黒猫の面をかぶった棗に尋ねる。

　棗はうなずいた。

「・・・そだね。脱走したいもんね・・・こんな所」

　私達を邪魔者としか扱わない・・・こんな所から。

「じゃあ・・・やるぞ」

　棗が炎のアリスを使って、壁を爆発させた。

　・・・げ。

「棗・・・鳴海がいるよ?」

「ほっとけ、あんな奴」

　無視して行きましょう〜って感じで行ってたら、豆のつるがとんできた。

　それが棗に当たって、棗の面が外れる。

「なっ・・・棗!」

　・・・てか、鳴海の隣にいるの、誰?

　そんな事を思いながらも、棗を支える。

「大丈夫!?」

「あぁ・・・螺已は大丈夫か?」

　会話していると、鳴海が近づいてきた。

「お二人さ〜ん、脱走は駄目だよ〜」

「近づかないでよ、鳴海・・・ぶっ殺すよ」

「わ〜怖い。にしても・・・ちょっとやりすぎだよ」

　瞬間、棗の腕が掴まれる。そして、鳴海はフェロモンを使った。

　棗は気絶し、鳴海はこっちに向かってくる。

　・・・あれだけは絶対にイヤダ!

「アリス使うぞ!ナルシスト鳴海!」

「うわおっ、傷つくな〜〜」

　そう言うと、鳴海は私の腕を引き、額に口づけを落とす。

　・・・あぁ・・・サイアク・・・

　そこで私の意識は途絶えた。