二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.11 )
日時: 2010/08/24 17:55
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

嫌だ、嫌だ!こんな力、無かったほうがよかった!
——幼い頃の俺の記憶が蘇る。



—Flame,04— 初めての友達


廊下を歩いている最中、凄い声が飛び交っていた。

「だぁかぁらぁ!俺は学校をサボルっつってんだろうが!」
「だめだって!今日は体育があるのな♪」
「じゃあテメェだけでやれ!」
「風雅がいねぇと張り合いがねぇんだよ」

俺はその会話を繰り広げる二人に、呆然と立っていた。
すると俺の視線に気付いたのか、二人は寄ってきた。

「お前、隣のクラスの転校生だろ?」
「あ、うん。まぁ」
「貧弱そうな奴だぜ」


(少なくともおめぇらより強ェよ)


俺は内心で毒づきながら、彼等を見ていた。

「俺、山崎海人って言うんだぜ。よろしくな!」
「・・・黄河嵐」
「二人とも、よろしくね」

俺は沢田綱吉の様な笑顔を貼り付ける。

「あぁ、よろしくな!」
「・・・ケッ」

俺はそんな二人と知り合って、直感が伝えていた。


(・・・危ない、か)


そんなサイレンが鳴り響いていた。
この二人に関われば、俺も危険だと。

だけど、俺は——。

「友達に、なろう」
「あぁ!」

俺は、そんな事を口走ってしまった。




(巻き込んで、ゴメン)

Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.12 )
日時: 2010/08/24 18:29
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

「で、さぁ・・・アレ?」

俺は廊下を歩く生徒に目を行った。
山本と似た少年と、獄寺君と似た少年。
そして、空。
まるで鏡を見ているようだった。


——ズキンッ


胸が痛んだ。


(・・・何で?)


「・・・ツナ?」
「・・・空」
「転校生がどうかされたんですか?」

俺は首を振る。

「いや、何でもないよ」

俺はそういって、笑って見せた。





「なぁ、空って野球やったことあるか?」
「やった事無いな・・・」
「じゃあ今度一緒にやろうぜ!ソン時は黄河もだぜ」
「いやに決まってんだろ!」

そんな会話をしていて、俺は笑う。
久し振りに、本当の自分で笑えた。
心のソコから——笑えたんだ。





沢田家に戻ると、沢田が近づいてきた。
俺は超直感を使って大体のことはわかったが。

「ねぇ、空君。一緒に帰ってきた人って誰?」
「えっと、黄河嵐君と、山崎海人君だよ。友達になってくれたんだ」

俺はそういって笑顔を出した。
作らずに、心のソコから。

「・・・ッそう」

何故か苦しそうな顔になった沢田に、俺は首をかしげた。

「・・・アレ?」

携帯が鳴った。
俺は携帯電話を開いた。


(俺の携帯電話の番号は完璧に変えたはずだ。更に隠蔽工作までしたと言うのに・・・)


俺は液晶画面を見て、目を見開く。
鞄を担いで玄関を飛び出した。

「え、空君!?」
「・・・」




(胸が、うずく)(俺は無我夢中で走り出した)

Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.13 )
日時: 2010/08/24 21:21
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

「にしてもこんなガキがあの人間秘法とも言える境界空の友達とはなぁ」

俺は目を覚まして、男達を見る。
隣には黄河が倒れていた。

「お前等境界の何なんだよ」
「俺達?俺達はアイツを誘拐しに来たマフィアだ」
「マフィア?」

此処は日本だ。
イタリアではない、列記とした———。


———ドガァァァァンッ


「・・・」
「!」

俺と黄河は同時に破壊されたドアを見た。
煙が晴れて行くと、ソコに立っていたのは境界だとわかった。

「場所は伝えてねぇのに判ったのか」
「・・・」

空の様子が可笑しい事は明白だった。


「     」


何かを呟いて、一歩ずつ歩き出す。

「おっと、近づけばコイツ等を殺す———」


——ドゴォッ


「「「・・・!?」」」
「 ぶ っ 殺 さ れ る の は テ メ ェ ら だ 」

顔を上げた空の表情は、何時もと違った。
明らかに、何時もと。

「って、テメェら・・・?」
「チッ・・・ばれてたのか。だが、判った所でどうなるとはおもわねぇ」

陰から現れたのは数百人の黒スーツの男達。
俺は驚いて後ろに下がった。

「コレだけ人数が居れば・・・」
「誘拐124件、人質39件・・・」

ぶつぶつと何かを呟いた。

「全ての組織を壊滅した俺にそれだけで挑もうって言うのか?」
「!・・・やれ!」

空は只、その場に立っているだけだった。





胸糞が悪い。
ギリッと歯軋りをした。
襲ってくる男達を持っていたナイフで切りつける。
死炎を使えばこの場所が一発で探知される為使えない。

「ば、化け物ッ・・・」

その言葉に、止まった。


『ありえねぇ戦闘能力だ・・・』

『コイツは化け物だ!』


「・・・化け物」


——化け物。


コツッと、靴の音が物置に反響する。
響く音に、俺は顔を歪めた。
ゆっくりと手袋を嵌める。

「・・・化け物で十分」


——ボォッ


(嫌われちゃうなぁ)


拳に宿った炎は、そのまま男を殴っていた。
気が付けば回りは倒れた人間ばかりだった。

「・・・」

俺は炎で縄を焼ききる。
楽になった二人はポカンと俺を見ていた。

「・・・空、」
「・・・」

俺は視線を逸らす。


(自業、自得だ)


だが、

「すっげぇ格好良かったです!」
「・・・へ?」

俺は目を丸くする。

「おぅ!その炎凄く綺麗なのな」


(・・・初めて、綺麗だって言われた)


鼓動が早くなる。


——ゴァッ


「うわっつ!?」
「うぁぁ!?ゴメン!」

俺は何とか落ち着かせて、炎を消した。

「・・・なぁ、空」
「へ?」
「・・・空の秘密、何時か話してくれよな。何時でもいいから」
「・・・あぁ」

俺はへラッと笑って見せた。





「た、ただいま・・・」

ドサッと俺は玄関先でぶっ倒れた。


(死炎を使ってしまった・・・。グッバイ俺の人生・・・)


そんな事を後悔していると、涙が出てきた。
俺は精神的疲労で、何とか二階に登り、沢田の隣に倒れこむようにして眠った。




(アレ?空君何時の間に・・・)(・・・何だろう、胸が痛む)