二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.16 )
日時: 2010/08/25 16:58
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

「何でこのリングが此処にッ・・・」



—Flame,06— リングと行方


朝眼が覚めてみれば枕元にリングが置かれていた。
と言っても、ハーフのリングなのだが。

「・・・一体昨日何があったんだ・・・」

俺は半分に欠けたリングを握り締めた。
俺は直感的に感じた。

「下に・・・居る」

俺は顔を青ざめる。
だが、下に行かない訳にはいかない。
俺は下にゆっくりと歩いていく。

「奈々〜」

「(最ッ悪・・・)」

俺はゲッソリした顔で、台所に歩いていった。

「おはよーございます・・・」
「おはよう、空君」
「・・・空?」


(ばれたー。絶対バレタよ)


俺は顔を逸らす。
奈々さんがアラ、と言って俺を見た。

「知り合い?」
「あぁ、まぁな。久し振りだなー空!」

ガッと首に腕を回される。
拒絶反応が始まった。


「嫌だ!」


バッと俺は腕を解いて、離れる。
そして玄関を飛び出して走り出した。

「あー、相当俺、嫌われちゃってるなー」

頭を掻きながら、飛び出していった方向を見ていた家光。

「アイツ、本当は記憶喪失なんかなってないと思うんだが・・・」
「そこは本人にしか判らないんじゃないのか?アイツの演技は半端無いからな」

ククッと笑う家光。
リボーンは顔を歪めた。





(冗談じゃねぇ!何で俺がこんな呪われたリングを受け継がなきゃいけねぇんだ!)


俺はそんな事を考えながら無我夢中に走る。

「ゼェ、ハァッ・・・」

俺は顔を上げて建物を見た。
中山外科医・・・?
何で俺はこんな場所に来たんだろうか。

「・・・超直感め・・・」


(呪うぞジジィ・・・)


俺は半ば怒り狂いながらガッと外科医に入った。

「・・・空!?」
「空君?」

金髪の男に掴みかかる。
俺の頭の中には既に、演技という言葉は消えうせていた。

「オイ、キャバッローネ十代目。俺が何でリングの後継者なんだ?話せ今すぐ白状しろ白状しなかったら今すぐ此処でぶっ殺す(黒笑)」
「ちょ、オイ・・・(汗)」

俺は構わずディーノを壁にぶつけた。

「ちょ、空君!?」
「言っただろ!三年前!俺は何が何でも守護者でもボスでも継がねぇって!」

怒鳴り散らす。
外科医だという事を忘れ、何度も何度も叫んだ。


「落ち着け空!」


「!?」


聞き覚えのアル声が聞こえて、後ろを見た。
扉の前で立っていたのは、黒髪黒目の少年。

「え・・・雲雀さん?」
「正確には、雲雀の兄、雲雀竜弥だ」
「え、雲雀さんのお兄さんーーーー!?」

沢田君は目を丸くする。

「そして境界空の守護者だ」
「え・・・」
「全く、日本まで迎えに来て何この有様」
「・・・俺は、絶対にもどらねぇ」
「あぁ、その事なら九代目が了承したよ。日本に滞在してもいいってさ」
「・・・」


(・・・何だか胸糞が悪い)


俺は震える拳を押さえつける。

「ま、まぁとにかくだ。空のリングについて話すぞ」
「・・・そういえばこんなリングあったか?本部に居たとき見せてもらったリングは全部で七つだったはずだ」
「あぁ、実はな、そのリングは、雨や嵐、大空、霧、晴、雲、雷とは少し違うんだ」

俺は首をかしげた。
隣に居た獄寺という人と山本という人まで首をかしげた。

「このリングの使命は生憎不明なんだ。もともと正体不明で、初代以来目覚めなかったリングだからな」
「初代以来?」

「あのジジィの作ったもう一つのリングって事かよ・・・」

俺は毒づく。
その言葉に不審を覚えたのか、ディーノや全員が首をかしげた。
俺は黒水晶のその夜空のリングを握り締めて、外科医の出口に向かう。

「ちょ、空君?」
「あぁ、演技の事は後で説明するから。俺は俺で修行を始めないといけないから」


そういって外科医を後にした。

Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.17 )
日時: 2010/08/25 19:00
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

「じゃあ、空。修行を始める」
「あぁ」

俺の家庭教師は雲雀竜弥。
竜弥は何も言わずにうなづいてくれた。


(後は——修行あるのみ、か)


「正直、君の修行は僕には出来ない」
「・・・?」
「君の戦闘能力は在り得ないほどだからね・・・その代わり」

そういって竜弥がある箱を取り出した。

黒く、三角形の箱。

「何だ、ソレ・・・」
「通称、《デルタボックス》」
「!」

何故か、胸が跳ねた。


(俺はこのボックスを知ってる・・・?)


そのボックスに、リングに炎を灯して注入した。

「そんな機能があったのかよ、そのリング・・・」
「まぁね。そんな事よりホラ」

シュゥゥゥ、とボックスから煙が現れる。
その煙に俺は包まれた。


最後に聞こえた声は———。


「あぁ、それとこのボックスは少し改造してあってね。安全な用に作られているけど、暴走する可能性もあるから。がんばってね」
「・・・最後にそんな事言うなァぁァぁ!」
「あぁ、でも」

竜弥は、クスリと笑った。

「キミにとっては、凄く嬉しい相手が戦ってくれるよ」



——そんな言葉だった。