二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.21 )
日時: 2010/08/29 07:31
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

「久し振りだな、空」
夜襲と追撃と追跡と邂逅。



—Flame,08— 邂逅


夜——嫌な予感がした。

下には奈々さんが居るため、已む無く窓を飛び降りて、外に出る。
走った先には、三人の子供たちと全員が立っていた。

「空!?」
「!」

堀の上に立つ、殺気を放つ奴等を見た。
俺は特に表情を作らず、声を発す。

「やっぱりザンザスたちだったか」
「お前には判ってたみたいだなぁ」
「当たり前だ。ボンゴレの秘蔵っ子を舐めんな」

俺はスクアーロから視線を逸らした。

「元はお前がボンゴレ十代目に成る筈だったのになァ・・・」
「その事はもういいだろ。俺は沢田綱吉側の守護者だ。それに代わりと偽りは無い」

その言葉に、ザンザスは顔を歪めた。
俺は睨みあげるように立っている。

「・・・やっぱりテメェはザンザスの裏切り者だァ・・・」
「・・・」
「?」

沢田綱吉達は俺を呆然と見ていた。
話についてこられないのは当たり前だ。


(だが、ディーノは知っているはずだ)


俺はヴァリアーに居なかったはずの少女を見た。
少女は只、笑っているだけだった。

「アンタがァ・・・沢田綱吉側の『夜空の守護者』ァ?よわっそー」

キャハハッと笑う女に俺は興味など無かった。
だが、


(傷つけるのならば、俺が許さない)


ギュッと、拳を握って再び覚悟をする。

「・・・ザンザス」

俺は声を張り上げた。



                                 「俺はお前と戦う!」





(空君が声を張り上げた)(何故か、悲しそうに見えた)

Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.22 )
日時: 2010/08/29 07:56
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

「時に覚悟は重荷になる」

そんな風に思ったのは何時だったか。


——強すぎる覚悟は己を縛る。


そんな言葉が頭をよぎる。

「———大嫌いだ」
「あぁ?」
「だから、総本部が嫌いだって言ってるんだよカス鮫」

俺は幼少期時代、そんな風にスクアーロを罵った。

「お前本当に嫌ってるんだな」
「ヴァリアーだって同じ癖に」

俺はそっぽを向いて空を見上げた。
真っ青に澄んだ色の空。


———ソレが壊れたのは何時だったか、


「ザンザス、何で・・・」
「うるせぇ!お前には一生判る事はねぇ!」

胸が痛む。
俺はゆっくりと目を閉じた。
九代目は、後ろで悲しげな表情を向けていた。

「・・・ゴメン、」

炎が、空間に広がった。
それ以来、何事も無かった。


だけど、ザンザスは今———。


復讐と、憤怒の炎を燃やす。


「・・・あぁぁぁぁぁ!メンどくせぇぇぇぇ!」
「空、修行は・・・?」

隣に居た沢田が聞いてきた。

「終わったよ」
「・・・ハァ」
「ったくザンザスの野郎何勘違いしてんだよー」
「ザンザスの事知ってるの?」
「いや、幼少期時代に会った事があるんだけど、それ以来会ってなかった」

俺は立ち上がって、ボロボロの体を動かす。

「(火傷・・・?切り傷は一切無い・・・)」
「俺、また修行してくるから。じゃーな」
「あ、うん」

俺は沢田の部屋を後にして、歩き出す。





『境界空。今日は———お前に教える技がある』

「・・・技?」

暗い空間で、俺は初代の声を聞いていた。
技、といわれて真っ先に思い出すのは、あの技だったが。
それじゃないと、感じた。

「初代の技って他にもあったっけ」
『いや・・・俺の技は《アレ》だけ・・・だが、初代夜空の技を教えよう』
「初代、夜空の・・・?」
『そして、夜空の使命を託す』



初代は———。



悲しげな瞳を揺らした。