二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.23 )
- 日時: 2010/08/30 08:09
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
初代夜空の守護者の使命と、その、《技》。
—Flame,09— 初代夜空の守護者
暗い空間で初代の声だけが反響した。
初代は悲しげに俺を見つめていた。
『お前は本当に———夜空に似ている』
「初代夜空の守護者に?」
『あぁ・・・』
涙を流しそうになる瞳を揺らしながら、初代は半分に欠けたリングを指差す。
『初代夜空の守護者は、お前と同じような家系だった』
「・・・」
『マフィアとして育てられ、平和を望むいい奴だ。だが、アイツの強さは恐怖に値した』
「・・・!」
——危険すぎます。
——化け物!
『・・・他の組織から恐れられ、恐怖された。だが、俺はあえてアイツを夜空の守護者にさせた』
「あえて・・・」
『そう。アイツと初めて出会ったとき、強い覚悟を感じたんだ』
「強い、覚悟・・・?」
『だが、アイツは何の覚悟かは決して教えてはくれなかったな。結局判らないままだ』
俺は会話をしている初代の顔が、凄く綺麗だと感じた。
大空のように——。
『アイツは守護者となった。歴史に残る、最強で最高と謳われる守護者に・・・。だが、俺はアイツを守りきれなかった』
「え・・・」
『夜空と謳われるあいつを———最後に、見捨ててしまった』
悲しげな瞳に戻り、俺を見据えた初代。
懐かしそうに、愛しそうでも。
『さて、そろそろ開始しよう。初代夜空の、技を———』
(夜空———あの、《事件》以来、お前は姿を見せない———)
- Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.24 )
- 日時: 2010/08/30 08:41
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
「初代夜空の守護者?」
「あぁ」
リボーンは変わらない表情で言葉を発していた。
今は修行の休憩中。
隣にバジル君が座っている。
「何でも初代夜空の守護者は不明点が多すぎるとか・・・実在する事さえ不明だと聞いていますが・・・」
「あぁ、だが、実在している事は確かだ」
はっきりとリボーンは断言した。
リボーンは分厚い書物を何処からか取り出すとその一ページ目を広げた。
ボッと、黒い炎と橙色の炎が文字となって現れる。
「初代夜空の守護者は、大空——、つまり初代ボンゴレと共に戦った事がこの書物には書かれている」
「・・・ヘェ・・・」
俺は歓心が無いような声を出した。
リボーンは真剣な眼差しに変えた。
「ツナ、初代夜空の守護者はな。初代ボンゴレに裏切られたんだ」
「裏切られた・・・?」
「あぁ、歴史上はそうなっている」
バタンッと、分厚い書物を閉じたリボーンだった。
◆
『だが、俺では夜空の技は判らない』
「え!?」
『だが、お前は本能的に判っているはずだ。初代夜空の守護者の技が、一体何なのかを』
俺は初代にそういわれてもあまりパッとしなかった。
(というか、本能って言われてもな・・・)
『ヒントをやろう。初代夜空の守護者は———意識を、深い闇に沈めていた』
「深い闇に・・・?」
——ドクッ
(何だ、コレ・・・)
『貴様は知っているだろう?俺の技を。夜空はそれを改造して技を作っていた・・・、俺がわかるのは、それまでだ』
「・・・」
『だが、貴様ならきっと、技を完成させる』
「超直感か?」
『まぁな。俺の超直感の的中率は知っているだろ?』
クスクスと笑う姿は、ツナと良く似ていた。
俺は不適に笑い、拳を握り締めた。
瞬く物は、黒き炎。
『そして、夜空の使命を託そう』
「夜空の使命・・・そういえばリボーンも知らないって言ってたな・・・」
『(人柱、か)さぁ、修行と夜空の使命を話そう』
初代は、再びクスリと笑った。
- Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.25 )
- 日時: 2010/08/30 09:59
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
「ただい、ま」
俺は沢田家に帰り、フラフラした足取りで二階へと登った。
部屋の扉を開けるとツナがベッドに座っていた。
「空、君」
「空でいいよ」
「空。修行、大丈夫?」
「まぁ、ちょっとキツイけど」
俺は体中に張られたばんそうこを見ながら苦笑した。
「・・・空、」
「何?」
「俺は、絶対に空を守るから」
そういって笑うツナに、俺は首をかしげた。
(この時、は、まだ、その笑顔の真相を知らなかった)
「そういえば、明日、だね」
「・・・夜空戦」
俺は、顔を歪める。
俺は修行中、みんなの結果を聞いていた。
ツナの大空戦の結果も、全て聞いていた。
ザンザスが氷付けにされた後、最後の守護者戦となる夜空戦。
夜空戦は、俺とあの女が戦って、勝利したほうが勝利したツナの守護者になる———。
ザンザスも、見ているはずだ。
(今まで俺は修行を積んでいた。今まで、皆は———)
傷つけられて———。
——ドクッ
「・・・早めに寝るな」
「あ、うん!」
俺は布団に潜り、目を閉じた。
ギュッと拳を握り締め、ゆっくりと携えた完成系のリング二つを———握り締めながら。
◆
リボーンから、全てを聞いていた。
「ツナ、どちらかがお前の守護者になるんだ。負ければ死が待っているんだ、夜空戦は」
「死って・・・!」
「それ程、重要な存在なんだ、夜空戦は」
リボーンは苦しげに顔を歪めた。
(空、は)
「まぁ、アイツが負けるはずはねぇと思うけどな」
「・・・?」
「ツナ、境界空はな。ボンゴレ内部でも最強と謳われるほどの実力を持っているんだ。それだけの奴が負けるはずはねぇ」
リボーンはそういって、にやりと笑った。
俺は、少しの不安を抱えながら、布団に入って目を閉じた。
(大丈夫だよね)(ツナ、初代夜空の守護者は———)