二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.29 )
日時: 2010/08/30 14:21
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

気が付かなくても、ソレで良かった。



—Flame,13— 邂逅と再会の記憶


「ツナ、どうしたんだ?」
「いや、今——何か、大事な事を———」


(思い出しかけたんだ、)


凄く大切なことだったと思う。
だけど、それは思い出せなくて。
あれから十年がたった。
俺は無事に十代目に就任して、今ではボスとしてみんなを守る為に動いていた。
屋敷の部屋を見ると何時もアリーナが居た。


(・・・アレ?)


俺は首をかしげた。
何故か、アリーナではない、誰かが居た気がした。


(気の、所為)


俺はそう思いながら、何時もどおりの日々を送る。





「ほんっとう皮肉だよなぁ・・・」

俺は夜空に向かい、そんな風に言葉を話した。


(裏切りが怖くて、力を使ったなんて)


俺はハハッと苦笑した。


(だけどきっと、コレで良かったんだよな)


俺が決めた道だった。
だから、自分が責任を取らないといけない。
あれから十年。
俺は一般人として生きていた。
炎や力は全て封印し、俺は平和な道を歩んでいた。

「本当にコレでよかったの?空」
「・・・え・・・?」

俺は振り向いた。
ソコに立っていたのは幼い沢田綱吉だった。

「何で・・・」

クスリと笑った『ツナ』は、俺を見て微笑んで見せた。
胸が、引きつる。

「空は、それで本当に良かったの?」
「・・・」

俺は顔を俯かせた。
何かを言おうと、口を開きかけたとき———。


——ズドンッ


「!?」

何かの振動が伝わった。

「始まるよ、空」
「!」
「始動するんだよ。キミの試練が」
「試練・・・?」

クスッと笑った『ツナ』は、淡い炎となって消えた。
俺は再び襲う振動に顔をゆがめながら、爆発が起こっている場所に向かった。





「ルーネファミリー?」
「えぇ。ボンゴレとは敵対組織となるFです」

俺は車を走らせながら、襲ってきたファミリーの事を聞いていた。
そして車が爆発した現場に止まる。
俺は車から出て、爆発が起きた場所を見上げた。


(ビル・・・!?の上!)


「・・・」
「子供・・・?」

茶色い髪をして、カールがかかった髪を揺らしながらゴスロリを着て熊のぬいぐるみを握った少女がビルの上に居た。

「ルーネファミリー!テメェら何が目的でッ・・・」
「・・・何処・・・」
「?」
「空は、何処」


                               ———ドクンッ———


胸が跳ねた。


(聞き覚えが、あった)


「空って誰の事だ!」
「・・・記憶が無い・・・」

ぼそりと呟いた声は、虚空へと響いた。
少女が大空に両手を上げた。
熊のぬいぐるみが落ちる。

「・・・じゃあ、壊そう」


———バチバチバチッ


少女の手から電撃が生み出される。

「な・・・」
「・・・死んで」

電撃が、空から落ちた。

Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.30 )
日時: 2010/08/30 14:46
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

「・・・え?」
「っぶなぁ・・・ッ!」

久し振りだから感覚があまりつかめなかった。
間一髪雷撃からツナ達・・・獄寺を守ったのだけれど。


(やっば、何で出会っちゃうんだよ俺!)


「・・・空、」
「へ?」

俺はぼそりと聞こえた少女の声がした方向を見上げた。
ビルの上にゴスロリを着た少女。
俺は首をかしげた。

「お前、誰?」
「・・・」

少女はクルッと後ろを振り向くと、何処かへ歩いていった。
俺は我に返って、ツナたちを見た。
呆然と俺を見ている。


(何しちゃってんだよ俺。凄くまずいじゃんか)


「あ、あの。俺はコレで・・・」
「待て」

ガリッと後頭部に冷たい鉄の塊を感じた。
見なくても判る——拳銃の感触だ。


「お前、何者だ?」


(・・・リボーン)


「・・・只の一般市民です」
「嘘をつくな。あの炎はアリーナと同じ炎だ。お前・・・何でアリーナしか持って居ない夜空の炎を使える?」


(夜空の炎、ね)


俺は肩をすくめた。

「リボーン、止めなよ。その子も一般人だし———それ以上手を出さないで挙げようよ」
「そうだよぉ?」

アリーナとツナがそう言った。


(あぁ、今更になって後悔が胸を襲う)


「・・・ではコレで俺は帰りますんで」
「・・・」

視線が背中に突き刺さる中、俺はゆっくりとボロボロに成った並盛町を歩こうとした時だった。

「一つ聞くよ。君が——彼等の言っていた『空』?」
「・・・知らない。俺は彼らのことを知らないから」


(そうだ、彼等は何で俺を知っているんだ。記憶は消したはず———)


「・・・そう」

俺はソレだけを言うと歩き出す。





「・・・」

俺は首をかしげた。

「ツナ、どうしたんだ?」
「・・・何か、あの子と会った気がするんだけど・・・」


(ソレも凄く、大切な———)


「そんな事ねぇだろ?あの子は一般人だぜ?」
「・・・そう、なんだけどさ」

俺は何故か懐かしさを感じながら、屋敷の中に歩き出した。

「ツナァ、アリーナ以外の女の子と付き合ってたのぉ?」
「いや、多分勘違いだよ」



                                 ———違う———



そんな感覚を残しながら、俺は———。





家に帰って、俺はベッドに横になった。
「・・・」


(始まる、か)


俺は少年姿の幼いツナを思い出しながら、目を閉じて意識を闇に沈めた。






(開幕するのは、二つの物語の交差が生んだ物語の世界)