二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 黒田エリの好きな人 ( No.105 )
日時: 2011/05/22 18:09
名前: 紅花 ◆8/MtyDeTiY (ID: Z38QiqU5)


 第五十話 新たな一角

 *
 妬けるなあ。
 *

 不意に、進が私の隣で呟いた。黒い瞳は虚ろで、前を見ているようで見ていなかった。ちらりと視線を馳せると、相変わらずラブラブ過ぎて目に痛い私の弟、カゲトとマキちゃんカップルが歩いている。

「あの二人は見てて妬けるよね、確かに」
「いや、そう言う意味じゃなくて」

 じゃあどういう意味よ? と聞いてみると進は遠慮がちに呟いた。「……あの三人」
 振り返ると、リュウジくん、改、一郎太が朝っぱらからわいわい騒いでいる。……どこが羨ましいんだ? こういう喧嘩相手がいることが? いや進にはいるよね、結構。ただ進の喧嘩相手は殆ど女だけど!

「エリにキスしたり告白したりされたりデートしたり、羨ましいし、妬けるなあ、とか」

 顔を真っ赤にして小さな声で囁くと、進は俯いて、そして逃げ出すように去っていった。
 ……え? あ、はい? 妙に進が可愛く見えたんですけど。ってか何? 今の何? 進も色恋事に目覚めたってこと? ……いや、だとしたら何で台詞の最初に私の名前が入ってるの? ねえ、ちょっと!

「やっほうエリちゃん!」
「さりげなくエリの手握るな!」
「あ、バレた?」
「バレバレだ!」

 リュウジくんと一郎太と改が近くまでやってきて、そんでまた騒ぎ出したこととか、手握られたこととか、それらは全部私の耳のなかに入らなかったし、感じもしなかった。仕方ないと思う。
 だって私——、こんな、うん、遠まわしな告白されたの初めてだから、理解するのにちょっと時間がかかったんだよね、うん。
 リュウジくんは超ストレート、レーゼはキス、改はストレートにキス、一郎太は私から告白。……こんな告白のされ方、本当に初めてだ。……あり? もし、もしこの馬鹿騒ぎやってる三人に進が加わったら、
  私の脳内に恐ろしい想像が浮かぶ。

「……やめてぇ」

 小さく悲鳴を零した後、私は猛ダッシュを始めたのです。

 *
 不意打ちされました。
 *


 うわあああ、久々の更新がこんな短いしなにこれ。
 前々から考えてたすすエリ出してみました。エリってやっぱ逆ハー。