二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 黒田エリの好きな人 ( No.30 )
- 日時: 2010/09/05 13:43
- 名前: 紅花 ◆iX9wdiXS9k (ID: ubJFnUz6)
第十五話 〈潜む者〉のせせら笑い
*
これが本当の貴方なの?
*
カゲトは今日から私と一緒に暮らす事になった。
リュウジくんはいつのまにか住み着いている。なに考えているんだか。
因みに私はこの二人を厳しく制限している。
一、風呂中に話しかけるな。話しかけたらぶっとばす。
二、ずかずかとレディの部屋に入るな。ノックぐらいしろ。
三、飯の代は自分で稼げ。こっちだって努力している。
四、節約しろ。誰も部屋にいないんなら消せ。
五、節約しろとは言っているが目を悪くしろとはいってない。
などなど。
処罰は部屋に閉じ込める。
子ども扱いされてすっごい怒った二人に落書きされたからもう一回閉じ込めてついでに晩御飯もぬきにした。
いつのまにおふくろになったんだろう私。
出来れば一郎太の子どものおふくろになりたかったと言いたいところだがそれは二見さんがやってくれるだろう。
彼女が教えるほうが教養のいいこになるだろうし!
諦めるって、譲るって決めたんだ。
新しい恋を展開するって決めたんだ。
だからもっと乙女にならなきゃね!
……到底無理っぽいけどサ。
郵便配達にすっとんでくリュウジくん。
こいつ、食べるの早すぎ。壁山と対決できるぞ。
今日は土曜日。リュウジくんは大変だなー。
因みに私のアルバイトは店の宣伝。月曜日水曜日木曜日が私の当番☆
結構人気なんだよ。
——平和な時間を破壊したのは、轟音だった。
「今、スゴイ音しなかったか?」
「……したわね」
「見に行ったほうがいいんじゃ、」
「野次馬はやめなさい」
そう言ったけど、私も気になった。
眉を顰めて、二階に行くカゲト。
「おっ、おいっ! 姉貴っ! 壊れてんの、雷門中だっ!」
「んですってぇ!? いくわよカゲト! 野次馬感性だしまくれ——ッ!」
「変換早すぎ!!」
学校が壊れた?
嫌な予感がする。
嫌な予感は、あたった。
廃墟となった学校の上に屹立し、右足で黒と紫のサッカーボールを踏みつけている少年。
その顔はあくまでも無表情。若葉色のポニーテールが、日の光に輝いている。
耳の前にある髪が、曲がっている。なにが起こったのかは知らないが、この曲がった髪は……。
「レーゼ……」
そう呟いた瞬間、リュウジくんは、レーゼは、せせら笑いをした。
なんて冷たい笑顔なんだろう。
いつもあっている、明るいリュウジくんとは別人だ。
耳の前にある髪が、曲がっている。そうか、あれがレーゼになったしるしなんだね。
円堂たちがやってきて、またもや廃墟とかした学校に唖然としている。
ねぇ、なんで?
なんで壊すの?
貴方の学校でしょ?
私の学校でしょ?
みんなの学校でしょ?
ねぇ——なんでよ?
私は気付いた。レーゼの肩。血が出ている。
リュウジくんは血を見た。そして、〈潜む者〉が目覚めて、暴走しだした。
そして、暴走した〈潜む者〉は、学校を破壊した。
「やめてよ。そんなの、リュウジくんじゃない……」
私はあの時、どうやって彼を止めたの?
覚えてないよ。わかんないよ。
私に彼を止める力なんかないんだ!
私に頼らないで。私になんかなんにもできないんだから!
私、彼を止めることなんて出来ないよ。
ねぇ、これが本当の貴方なの? ——リュウジくん。
*
やめてよ。そんなの、リュウジくんじゃない。
*