二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 黒田エリの好きな人 ( No.55 )
日時: 2010/09/12 21:02
名前: 紅花 ◆iX9wdiXS9k (ID: kHVzf1bX)


 第二十八話 男子と女子の会議

 *
 女の子と男の子
 *

「やっぱ無理だね。私達であいつらと戦うなんて。これじゃあ弱いものいじめだよ」

 一人っきりでやってきた澪を前に、私は他十人に言った。

「弱いものって、あいつは世宇子中を、」
「女の子の心はか弱いの! いくら横暴でもね!」

 抗議しようとした佐久間を睨みつける。
 うんうんと賛同するマキちゃん。
 やっぱ女の子同士、こうでなくちゃ!
 
「ってことで、澪を確保せよ」

 男子どもへ命令を下す。
 お前等女子はなにをするんだと聞いてきた砂木沼に、もちろん見物、と答える私。
 砂木沼にグングニルを使われそうになるのを間一髪で避ける。
 ヒロトに流星ブレードを使われそうになるのをかろうじて避ける。
 カゲトのダークとルネードをひょいっと避ける。
 三浦広夢——元ディアム——とリュウジのユニバースブラストを避ける。
 佐久間の皇帝ペンギン一号をジャンプして避ける。
 吹雪と風丸のザ・ハリケーンをなんとか避ける。
 耳を塞ぎ、不動の罵声を聞かないことにする。
 なにをやっても無駄だと感じたらしい九人の男子は諦めて、溜息をつくと澪を捕まえにいった。

「お義姉さんはすごいですよね。マキ、尊敬しちゃいます」
「これくらい軽い軽い」

 右手をひらひらふる私。
 イプシロンのフォワードに褒めてもらえるとは感激だ。
 因みに私、ドッジボールでは避けるの専門である。
 だからこいつらのボールを避けることくらいどうってことないね。
 
「あっ、きゃあっ! どこ触ってんのよっ!」

 澪の悲鳴が聞こえた。

「なんかやばくありません?」
「……やばいわね」
「助けたほうがいいのでは?」
「……そうかもね」

 ……溜息。
 まったく、男は頼りにならないんだから。
 私は準備運動をすると、走り出した。
 男どもを澪から引き剥がし、澪をずるずるひっぱる。
 喫茶店に入り、コーラを頼む。

「澪は?」
「えっ……私? ……一応アイスコーヒーとか」
「マキ、アイスソーダ!」
「私のおごりね」

「どうして女子ってこうなんだろうな」
「わかんね。わかりたくもねぇ」
「あぁ、同感だ」

 漫画喫茶で話すのは闇野、風丸、緑川。

「マキのやろうめ、可愛くて憎い、けど自分の思い通りにならないとすぐキレるんだよなー」

 はぁ、と溜息をつく闇野。

「へぇ。君がそんなこと言うとはねぇ。びっくりだよ。いつもラブラブだもん」
「ま、そこがかわいいんだけどな」
「やっぱラブラブだね」

 呆れたように呟く緑川。
 風丸が虚ろな顔で呟いた。

「エリもさぁ、あれだよな。怒りながら泣くタイプ? そしてちっちゃいことを怒ってるかと思ったらいつのまにかどんどん展開していくんだよ。漫画で言う展開法ってやつか」
「わかる。帰納されないんだよね、あれ」
「姉貴はそういう生き物なんだよな。かなり面倒な、ね」

「女って生き物は……」

「ねぇ、男子ってさぁ、なんでこうなんだろうね?」
「わからないわ。ってかわかりたくもない」
「マキ、同感!」

 喫茶店でおしゃべりをするのは私、澪、マキちゃん。

「カゲトったらかっこよくて憎いのよ、でもなんかいつもネガティブなのよ〜」

 アイスソーダをストローで掻き混ぜつつ、はぁ、と溜息をつくマキちゃん。

「貴女がそんなこと言うなんてね。びっくりだわ。いつもラブラブなんだもの」
「まぁ、私はそういうところも愛してるけどね」
「やっぱラブラブよね」

 呆れながら言う私。
 澪ちゃんが虚ろな顔で呟く。

「私、お父さまのこと好きだけど、偶にうざいの。笑顔がいやみったらしいっていうのかしら。むかむかするっていうのかしら。それでさ、妄想してるのよ、お父さまったら。雷門がどうなったらいいとか。成功したためしはないけどね」
「わかるわ。妄想って広がると帰納されないのよね」
「いるのよね、かなり面倒な人は、ね」

「男って生き物は……」

 三十分後。
 敵だった澪とすっかりなじんでしまった私達。
 これでいいのか、みたいな気分だったけど。
 まぁ、雷門崩壊は阻止できたのでいいのだろう。

 敵だった緑川とすっかり仲良くなってしまった風丸。
 これでいいのか、みたいな気分だったが。
 まぁ、これもいいのだろう。

「さぁ、帰りましょうか」
「そうね」
「うん、そうしよう」
 
「さて、帰ろうか」
「そうだな」
「うん、そうするか」

 *
 似たもの同士の男女の会議 
 *