二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 黒田エリの好きな人 ( No.66 )
日時: 2010/09/19 00:15
名前: 紅花 ◆iX9wdiXS9k (ID: tOcod3bA)

 第三十三話 ミリの正体

 *
 はじめまして。いいえ——久しぶり。
 *

 ふわりと髪の毛が風に靡く。
 栗色の髪に、桃色のリボンの髪飾り。
 白いブラウスに黒いスカート。栗松並の身長。

「久しぶり……?」

 首を傾げる。
 どこかで見たような気がするが、ひさしぶり、ではないように感じる。
 あぁ、と思いついた。彼女、エリに似ている。
 瞳の大きさとか、ちっちゃい唇とか、低めの鼻とか、似ているところが少なからずある。 だからと言って、俺は彼女にあったことがない。

「私の名前は黒田ミリ——エリの姉」

 なるほど、エリの姉か。似ているわけだ。
 ——あれ、でも、やっぱ初対面、だよな?
 ミリさんが笑みを浮かべた。
 この笑み、どっかでみた感じがする。いや、エリには似てない、けど……。
 彼女はさっと体を翻して走り出す。
 軽やかで無駄のない動き。
 あっと、思わず声をだしてしまった。
 
「お前、まさか……」

 くすっと悪戯っぽく微笑むミリさん、いや——

「そう、私はナナ」

 自称ホームレスの七歳ほどの少女。
 
「でもお前はたしか、ホームレスなんじゃ……ってかお前、身分詐称!?」
「あら。イタリアにいたときは一応そうだったのよ、お金騙し取られて。フィディオやデモーニオの手助けかりて日本に帰ったはいいんだけど、お金ないから暫く路上生活。高3だってこと証明するの、大変だったんだから。それでやっとアルバイトして、何とか服装とか整えて、エリの家にいるの。あ、因みに、エリにバレたらマズイから、ナナってなのってたの」
 
 俺は唖然とするしかなかった。 
 これでも高3かよ。いや、ありえねぇ。
 なんでエリがあんなのっぽなのに姉がこうなんだ!?
 妹って名乗ったほうが納得できるぞ、むしろ。
 甘い笑みを浮かべながら、ミリは囁いた。

「エリはね、押しに弱いの。可愛い年下の子に弱いの」

 そう言って、続けるミリ。

「だから、直球で言ったほうが、彼女には効果的よ?」


 *
 ミリがナナだったなんて……。
 *