二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 黒田エリの好きな人 ( No.87 )
日時: 2010/09/28 18:19
名前: 紅花 ◆iX9wdiXS9k (ID: x9loXZsD)


 第四十七話 男勝りな白雪姫

 *
 でも、大好きだよ。
 *

「やっほぉ」

 今日は夏祭り。うん、遅いけど夏祭り。
 九月の夏祭りを主催しようと言い出したのは私。
 市長さんと相談したらでもこれでは遅いのでは、といわれた。
 うんでも夏って暑いじゃない? 浴衣なんかきたらなおさら!
 涼しくなってからのほうが快適でしょってことで開催したんだ!
 皆は私の服装を見て怪訝な顔。ま、そりゃ当然でしょうね。

「エリ、どうしたんだその服」

 改とおまけの小平太、一郎太とリュウジくん。
 マキちゃんとカゲトはどっかへ消えた。一緒にデートでもするんだろう。

「え? 坂本竜馬のコスプレ」

 坂本竜馬の本によると、坂本竜馬は天然パーマの髪を一つ結びにし、袴にブーツを履いていたという。
 ってことで私はブーツに袴、髪の毛は一つ結いで腰には刀の代わりにぼうっきれ。
 
「似合っているぞエリ。流石男の娘」

 小平太がくっくっく、と手を口元にやって笑った。
 あぁ、小平太ってば忍者の癖に上品なんだから。
 まあ、今ここにいる人で私を男の娘と言うのは恐らく彼だけであろう。
 十秒後、小平太が後ろに飛びのき、小平太のいた空気を他三人が掴んでいた。
 流石忍者。反射神経いいなぁ。 
 おいおい改。他の二人はともかくあんたは小平太の幼馴染だよ。
 あんたが掴んでいる空はさっき小平太の喉があったばしょだぜ。
 因みに一郎太は小平太の胸倉があったばしょ。
 で、リュウジくんは……盗み取ったらしい手裏剣を構えている。
 忍者なのに盗まれるとは。流石リュウジくん。
 それからがばっ! と一郎太が抱きついてきた。

「俺はお前が坂本竜馬みたいに三十代で死ぬのはいやだからな。ってか俺も一緒に死んでやる」

 あー。言い過ぎ言い過ぎ。
 いつのまに狼になったんだ一郎太。
 あのね。不吉なこといわないでくれる。
 それに一緒に死ぬってなにアホなこと考えてるのよあんた。
 はぁ、と溜息をつくと、今度は小平太から借りたらしいナイフをぺろりと舐めながら、改が笑う。

「犯人がエリを殺す前に俺が犯人を殺してやるよ」

 ねぇ改。それって普通に怖いよ改。
 ナイフを舐めているあんたは半端じゃなく怖い。真面目に怖いです。
 オバケ屋敷でそれやったら? 皆怖くて泣くと思うよー。
 第一私はうんオバケ屋敷に入ったことがない。
 私は蜘蛛が嫌いなのに、始めてみたオバケ屋敷には人面蜘蛛の絵が沢山あったからだ。
 蜘蛛が居たらいやだもんねということでいったことはない。
 ただし……、うん、一郎太とならいってもいいかな。
 あ、でもそれはリュウジくんと改がひっついてくるから無理か。
 ふー。もう一度溜息。するとリュウジくんが!

「大丈夫だよ。エリちゃんが死んじゃっても俺がキスして白雪姫みたいに蘇らせるから」

 あぁもう死ぬなんて不吉なこというんじゃないよばか。
 なにが白雪姫だ。白雪姫は黒髪だけど私肌白くないし。
 野蛮だし白雪姫ほど性格よくないし。
 あとね? あんたたち、

「あー!! いやその役俺やるわ、ロミジュリみたいにキスしながら覆いかぶさって死んでやる」
「死ぬとか不吉なこというんじゃないよ? 風丸。ま、エリちゃんだけは俺がキスしてしっかり蘇らせるから安心して」
「あ、緑川には悪人役やってもらうね。いっとくけどキスするのはこの下鶴改だから」

 こんなつまんないことで、こんなところで、ばかばかしい喧嘩はやめてくれる?
 死ぬなんて不吉なこと言うなっていったでしょ。

 *
 みんなみんな、健康に長生きしようよ。もちろん、百歳以上は当然よ?
 *