二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:   ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人 ( No.116 )
日時: 2010/12/20 17:36
名前: Chess ◆1OlDeM14xY (ID: 1ZD11.er)

 セントシュタインの城——

「お主はその言葉そのまま信じて帰ってきたのかっ」

 報告を終えたマルヴィナへの、王の開口一番がこれである。
「・・・は?」
「私はルディアノなどという国は知らぬし聞いたことも無い。
奴がでたらめを言っているとしか考えられんだろう!?」
「・・・・・・・・・・・っ」
 隣にいたフィオーネが、何か言葉を発しかける。
気付いたセリアスが問おうとして、シェナに足を踏みつけられた。
〈って!? な、何すんだシェナッ〉
 ぼそぼそと文句をつけ、
〈後にしなさい。ここでは話してくれないわ〉
 シェナも前を見ながらぼそぼそと返した。
「よいか。奴は私たちが安心した頃にもう一度ここへ攻め込んでくるはずじゃ!
奴を討つまで、褒美もお預けじゃな」
「・・・なっ。何ヨこのオッサン!! いーワヨ、アタシたちの本当の目的は星のオーラ!
別に住民が感しゃふがっ!?」
 サンディの騒ぎ途中に、マルヴィナはフードをかぶるふりをして、とりあえず中に閉じ込めておいた。
「んあ〜〜っ! ハルフィナハァ、はにすんのほ〜〜っ!」  ←注・マルヴィナぁ、何すんのヨ〜っ!
 状況に気付いたサンディがフードの中で暴れ始めた時、セリアスとフィオーネの視線が合った。
 フィオーネは少し厳しい目で頷く。セリアスもまた、頷いた。
「・・・お父様。少々疲れました。
フィオーネはこれで失礼させていただきますわ」
 王の訝しげな視線を背に、フィオーネは王室を発つ。

「っ出ぁ〜し〜な〜さ〜い〜ヨ〜〜っ、ハルフィナ〜〜っ!」
「セリアス、・・・説明お願い」
 王室を出た四人、シェナがセリアスに初めに言った言葉である。・・・サンディは無視していいものとする。
「・・・ん? 何のこと・・・?」
 マルヴィナが首を傾げる。「急に王室を出たわけか?」
「そう。分かってるじゃない。・・・で、フィオーネ姫と見つめ合ってたみたいだけど」
「・・・な、何だその微妙な言い方は。怪しい関係じゃねーぞっ、暗号みたいなものだ!」
「暗号・・・?」
「そ」
 セリアスは腕を組んだ。
「瞬き二回で“二階”、瞳の位置で方向、頷きで“話がある”・・・
今回王様の前で話せない情報とか結構持ってるらしくてさ。兵士長がこういうときは話を聞いてこいって」
「ふーん・・・で? どっちだったの?」
「あっちだ」
 セリアスを先頭に、(サンディはまだフードの中でバタついている)四人は若干早足で歩く。
「・・・ん。いた」
 マルヴィナが見て分かることを声に出す。
「・・・皆様」
 フィオーネは呟いた。辺りを見回し、人の気配が無いことを確認すると、話の内容の重要部分から言った。
「・・・ルディアノ国のことで、話があります」と。