二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人 ( No.409 )
- 日時: 2011/06/02 19:26
- 名前: Chess ◆1OlDeM14xY (ID: fckezDFm)
「神さまはっ、不公平だっ、なんでっ、キルガばっかりっ、モテるんだぁっ」
トカゲを女王に返すべく、四人は許可を得て城内へ入った。
そしてその後、ようやくキルガを開放したセリアスが一言ずつ唾を飛ばさんばかりの勢いで言った文句がこれである。
「創造神グランゼニスさまを侮辱するなー!」マルヴィナが言えば、
「俺が文句を言ってるのは公平の神さまだ!」セリアスも負けじと返し、
「・・・誰だそれ?」冷静にツッコんだのはやはりキルガである。
「・・・誰だろ? 公平神コウヘーイとか」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
超シラケた空気が漂う。
「・・・・・・・・・ゴメンナサイ」
「わたし、氷いらない」
「右に同じ」
マルヴィナとシェナのダブル毒舌がセリアスに炸裂する。
「だ〜〜〜〜っ。ちくしょう。キルガ、少し分けろ!」
「どうぞ」
一言で許可を得てしまい、セリアス一瞬黙り込む。もちろんできるわけがないので、悪態だけついておく。
「・・・腹立つ」
「セリアスが言い出したんだろ・・・」
「ちぇ」
言い返す言葉がないので、それだけ言っておく。虚しいので、その後はその話に触れなかった。
「思ったんだけどさ」
しばらく城内をさまよってから、シェナが一言。
「ここって、女だらけなのね」
女中は言わずもがな、兵士までが女性である。よく考えたら、国の主まで女性なのだ。
「何で砂漠って大抵女が治めるのかしら。絶対政治は崩壊気味ね」
「え、何で?」
マルヴィナが即座に聞き返す。シェナの意見に、キルガが何か言いたげな、微妙な表情をしたのだが、
今言うことでもないなと結局黙ったのである。
「女だらけっていうのは怖いのよ。表と裏のギスギス感がね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
マルヴィナ、当然理解をしていない。性格がまずもって女にしては例外なので無理もないのだが。
「まぁ、即興で何かシチュエーションを言うならね。
『あら○○さん。シーツはもう干したの?』
『えぇ、私は仕事は誰よりも早くこなしますわ』
『その割にはその仕事内容が雑ですわね。
前なんて、そのシーツに髪の毛がついていましたのよ。しっかりしてくださらないと』
『あら、失礼しました。先輩のベッドメーキングには毎回皺が五つはあるのよりはずっとましだと思っていましたわ』
・・・で、心の中では、
『この小娘が・・・あたしに向かって舐めた口きくじゃない・・・』
『先輩だからっていい気にならないでよこのオバン・・・いちいちいちゃもん付けてくれて・・・』
・・・みたいな感じになるのよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かりやすい説明だな」
セリアス、苦笑。マルヴィナが分かっているのかいないのかいまいち分からない表情で頷く。
「あー、陰でこそこそ文句を言いあうみたいな感じかー」
「声がでかい声がっ」
「まずいのか?」
「まずいわよ!」
「そっか。・・・ん」
やはりいまいち理解していない(そして本人はそれに気付いていないような)表情で頷いてから、
マルヴィナは一点に目を止めた。
「す、す、すみません、そこのお方っ」
それは、こちらに向かって走ってくる、一人の女中であった。