二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:   ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人 ( No.81 )
日時: 2010/12/06 17:58
名前: Chess ◆1OlDeM14xY (ID: 18vru4k2)

     【 Ⅲ 】   再会

 リベルトが昇天し、夜が明け——二日後。
 セントシュタインの兵士から、峠の道が開いたとの連絡が来た。
 そして、リッカがセントシュタインへと旅立つ日が来たのである。
「リッカ」
 マルヴィナは、声をかけた。
「うん」
「いろいろ、お世話になった。ありがとう」
「こちらこそ。マルヴィナには、いろいろ助けてもらったし」
 リッカは笑う。
「・・・宿屋。いつか来てよねっ」
「もちろん。・・・リッカの未来に、薔薇の祝福を」
 古めかしい挨拶をして、二人はいつかのように微笑んだ。

 リッカが旅立ち、そして。
「さー! あたしたちも出発しよ! 天の箱舟、場所もち覚えてんでしょーネ?」
「峠の道」
「おっけ。さ〜、レェッツ・ゴーーッ!」
 テンションがついていけない。


「さ! 乗って乗って!」
 急かして、サンディがパタパタ飛び回る。
 ・・・天の箱舟。あの日、砕け散ったはずの舟・・・
 それにわたしが乗っている。わたしがここに立っている!
「そーれ、いっくよぉーー・・・ス・ス・スイッチ・オンヌッ!!」
「・・・・・・・・・・・・・は?」
 
 ——がしゅ。

 小気味いい音がした。したのはしたが。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
 反応なし。
「・・・ダメか」
「諦め早っ」
「ぐぅぅ・・・アタシ的には天使乗せりゃ絶対動くと思ってたのに・・・」
「・・・・はぁ」
 サンディはしばらく考え込み、ぐるっと振り返る。
「アンタさ、あん時星のオーラ見えなかったよね?」
「・・・うん」
「それってやばくネ? だいたいさぁ、天使なのに人間に近いってありえないっしょ!」
 ぐさりと急所を刺された気分に陥る。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあね・・・」
「あれ。意外と素直じゃん。超ウケる! ——とか言ってる場合じゃないか。
アタシもトロトロしてると神様に怒られるっぽいし・・・って、そーよ、神さまよ。
何でアタシらがこんな目に遭ってるのに何もしてくれないわけ!?」
 同じことを思っているな、とマルヴィナは思った。
「・・・とにかくマルヴィナ、アタシ達もセントシュタインに向うワヨ。
きっとそこで星のオーラ見つけて天使だって証明すれば
天の箱舟だって動くって——え、何その思いっきり疑ってる顔」
 超受ける、と付け足して、サンディはマルヴィナの背中を思い切り蹴った。
「んじゃ、人助けの旅に、レェェッツ・ゴ——!」
「・・・・・・・・痛いよ」