二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人 ( No.96 )
- 日時: 2010/12/10 17:35
- 名前: Chess ◆1OlDeM14xY (ID: yMcOisx5)
世界を揺るがせた大地震。その後、このセントシュタインの国に全身を黒に染めた騎士が現れた。
彼の狙いは国民には知らされていない。だが、国にとって脅威の存在であるという。
国の兵士は、その兵士に戦いを挑んでは、ことごとく返り討ちにあったらしい。
「俺、前直接会ったんだけど。馬に乗っててさ。足払いかけたら逃げてったけど」
「臆病なんだな」
「馬がな」
セリアスは氷をがりがりと噛む。
「んで、何か知らんが見込まれて、・・・んで、何か知らんがこの国で戦士の『職』をもらった」
「そうなんだ。・・・キルガは?」
「僕は別の場所で聖騎士に、・・・[された]から断った」
「そうなんだ」
マルヴィナが呟いたところで、
「・・・・・・・・・って、チョットさっきから全員無視しすぎなんですケド! アタシを忘れないでよねっ」
・・・いきなりサンディ登場。正直サンディの言うように忘れていた。
「あ、サンディ」
「お? 誰だよこの妖精?」
「だからサンディだって」
「可愛い」
「え、カワイイっすか? いやー、ありがとー。マルヴィナて石アタマで何も——おっと」
マルヴィナが頭をはたこうとして、見事にかわされていた。
「へー、みんな元天使なんだー。ドンだけいんのよ、羽なし天使。どーりであたしの姿が見えるわけだ」
腕を組みつつ、サンディはニヤリと笑う。
「んじゃ、みんな天の箱舟ちゃん使って天使界戻りたいってコトですよネ」
「え? ——何で天の箱舟の事知ってんだよ」
「あ、アタシ、運転手」
「・・・・・・・・・・・」
マジかよ、と言う声が聞こえたような聞こえなかったような。
「んでさっ。アンタ達、コレ見える? 見えるコレ?」
サンディはマルヴィナの背の頭巾に潜ると、しばらくしてひょこりと出てくる。何かをつまむような仕草で。
「じゃーん! アタシは何を持ってるでしょー?」
三人の反応は、
「・・・は?」セリアス、
「・・・腕のブレスレット・・・なわけないか」キルガ、
「・・・何か持ってるの?」シェナ。
で、静寂。マルヴィナ苦笑。
「・・・見っ事に誰も見えてないんですケド・・・星のオーラよ、星のオーラ!
あんたらがチョー大事にしてたものヨッ」
再び沈黙。
「・・・・・・・見えてないってことか?」
「・・・みたいだね」
「・・・・・」
三者それぞれの反応を見たサンディは、遂に深々溜め息をつく。
「・・・誰乗せても天使界行けないか。しゃーないマルヴィナ、黒騎士って奴。あれ、退治しに行くわヨ」
「はぁ!?」
マルヴィナは飲みかけの酒から口を離して叫んだ。喉に溜まっていた残りが引っ込み、ゲホゲホ咳き込む。
「言ったっしょ、星のオーラ集めりゃ絶対天使って認めてくれるって!
この国の人が黒騎士に困ってるなら助けるべきなんですケド。——だいじょぶ? マルヴィナ」
「生きてるから大丈夫でしょ」
「ひどいぞシェナぁっ!」
「ほら、元気になった」
返す言葉がない。
「・・・でもま、いいんじゃないか?」とりあえず無視して、セリアスは言う。
「俺ら四人の、初の戦い、ってな感じで」
単純だなオイ、と胸中でマルヴィナ。
「よし、んじゃ早速、明日城ん中行こうぜ」
「勝手に話を進めるな」
そう言いながらも、賛成する三人であった。