二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 人類混濁の白黒—モノクロ— 【REBORN×戯言】 ( No.11 )
日時: 2010/09/06 16:33
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

「ヘェ、キミ、異世界からきたんだ?」
鋭き冷たいキミの心理は。



—Data,05— サイコロジー—心理学—


「コレは・・・」

違う、ツナじゃない。
けど、目の前にいる人物は沢田綱吉に間違いが無かった。
というか、何だこの状況。
ツナの着ている白いスーツが、真っ赤な血で点々と水玉になっていた。

「・・・お前、誰」
「あ、いや、えっと」

俺は焦りながら、一歩後ろに下がった。

「俺は、終崎終夜。えっと、キミは沢田綱吉、だよね」
「・・・そうだけど」

俺を疑問の目で見たツナ。
俺はまた後ろに下がり、彼を見た。


(つめた過ぎる、刃物の様な目)


まるで、俺の知っているツナとは違う。
正反対だった。

「さっきの煙を見ると、君は十年バズーカに撃たれて此処に来たらしいね」
「あ、うん」
「それに俺を知っているということは君にとっては他人じゃない。だけど俺はお前のことなんか知らない。考えられる答えは一つ。お前は異世界から来た」
「・・・パラレル・ワールド」

俺は頭を抱えた。


(もう何が何だか判らない・・・)


ツナはそんな俺を見てヘェ、と言った。


——ガシャンッ


ツナが手に持っていたワインのビンを落として割った。


(わざと・・・)


赤いじゅうたんに更に赤いシミを作った。

「今まで同盟食事会だったんだ。退屈で他マフィアを壊したけどね」
「・・・マフィア?」
「(あっちの俺はこのこと、隠してたのかよ)」

ツナは何故か舌打ちすると俺を向いた。


(と言うかマフィアって何だよ!そんな物騒な・・・あ、いや、潤さんほどじゃないか)


「・・・って言うか、もう五分は経ってるよね」
「そういや・・・」

俺は手のひらを見た。
周りを見ても変化は無い。
俺は首をかしげた。

「とにかく俺の屋敷まで来てよ」
「あ、うん」

俺はうなづいて、ツナの後を付いて行く。


———ガチャっ


「・・・沢田綱吉。この子は誰?まさかこんな子供にも手を出し———」
「違うわボケ」

ツナが即座に突っ込みを入れた。
此処は相変わらずのようだった。

「・・・本当、俺の知ってるツナとは正反対」
「・・・(異世界の俺、どんな性格だったんだよ)雲雀、コイツ、連れて行くことにしたから」
「・・・判ったよ」

雲雀は変わらなかった。
だけどやはりスーツからは血のにおいがして、顔を歪めた。

「そうだ、お前が落ちてきた後、コイツが落ちてたんだけど。コレお前の?」

そういってツナが取り出したのは、何かが彫られているナイフだった。

「・・・ボンゴレの紋章が彫られてるんだけど」
「え、あ、えっと、多分、俺のです」

俺はそういってナイフを受け取った。

「・・・ノッテ・・・」

夜空、って言う意味か。
俺はそのナイフを服の裾に隠した。

Re: 人類混濁の白黒—モノクロ— 【REBORN×戯言】 ( No.12 )
日時: 2010/09/06 17:12
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

黒色の黒曜石のナイフは、光によって綺麗に光っていた。
屋敷と言う屋敷は巨大だった。

「いや、デカッ!?」
「そんな驚く事?」
「だってだって!凄いじゃんこのお屋敷ッ!」

俺がそういうとツナはフンッと顔を背けた。
俺は首をかしげる。





終崎終夜と言う奴はどうやら異世界から来たと言う事が判った。
厄介な事になってしまった。
俺は携帯を取り出し、白蘭に電話をして、異世界転移を頼んだ。
終崎終夜は目を輝かせて周りをキョロキョロと見ていた。

「・・・十代目!」
「ツナ!」

すると二人がすっ飛んできた。
俺は溜息を吐いた。

「何、二人とも」
「お怪我はありませんか?」
「大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫」

俺はそういってマントをバサッと後ろにいた奴に投げた。
もぞっと動いた終崎はマントを見て、顔を歪める。

「どうした」
「・・・血の匂いがする」

そういうと、マントを握り締めていた。

「・・・お前の世界では俺はこんな事しないのか?」
「絶対にしないと思う。究極のお人よしだから」


(何故か、そう感じるんだ)


読心術を使ってあいつの心の中をのぞいた。

「信頼、ね」

俺は少し溜息を吐いて、歩き続けた。





コノ世界のツナは全く関係性が見えなかった。
と言うか、コノ世界のツナは全然性格が違う。


(まるで、現実逃避をしているような)


心理が全くつかめなかった。





「もう一日も経ってるぞ!リボーン!」
「・・・」

俺は焦りながらリボーンに言った。
終夜がまだ戻ってきていない。
五分どころか、一日経っているというのに。

「・・・ツナ、人の思いは世界を超えちまう物なんだゾ」
「ハ?」

リボーンは、凄く深刻そうな顔をした。





アリアから伝言があった。
二つの世界———つまりコノ世界と、もう一つの世界が歪んだと言う事。
歪み、繋がった。

『人の思いは時として世界を超えちゃう物なのよ』
『どういう事だ?』
『アッチの世界の沢田君が何かを強く思った所為、とでも言うのかかしらね〜』

向こう側の世界のツナが、強く懇願する程のこと。

『ソレに適した、彼が選ばれたって事ね』
『・・・終崎終夜か』
『えぇ。だけど、まだ時空が捻じ曲がったままなのよね』
『・・・どういう事だ』
『つまり、もう1人誰かが選ばれる可能性があるって事よ』

俺はそんなアリアの言葉を思い出しながら、ツナを見た。


「ッ!?何だコレ!」


ツナは何かに引きずり込まれていた。
闇の様な、物。

「時空の歪みか・・・!ツナ!」

俺も一緒にその闇に飛び込んだ。






——ドドドドッ


「ッ!?」

俺は天井を見た。
天井は壊れていない。
そして何かが落下してきた。
俺は落ちてきた物を見る。
隣に居たツナも落ちてきた物を見た。


「いつつ・・・」

「・・・ツナ!?」






(時空軸は捻じ曲がった)