二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 人類混濁の白黒—モノクロ— 【REBORN×戯言】 ( No.4 )
- 日時: 2010/09/06 11:57
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
転校生の少年は出会う事になる。
—Data,02— 転校生の邂逅
次の日の朝、俺は制服を着て朝食を食べていると、チャイムが鳴った。
俺は玄関の扉を開けて、ソコに立っていた沢田君を見る。
「終崎さん、朝食・・・」
「あー、俺小食だからいいよ」
「よっ転校生!」
「ケッ・・・」
「・・・ソコの二人は?」
俺は疑問になって聞いてみた。
沢田君は只の友達だよ、と言って笑って見せていた。
「じゃあソコに立っている赤ん坊は?」
「え!?ってリボーン!」
「チャオッス」
赤ん坊はリボーンと言うらしい。
俺は生きてきて早十四年。
赤ん坊が立つという奇怪現象に出会った事は初めてです。
「俺はツナの家庭教師だ。よろしくだゾ」
「あー、家庭教師。ヘェー」
「って納得しちゃうの!?」
「あぁ、俺の知り合いにはこの方20年間容姿が全く変わらない人も居るから別に気にはしない」
「え・・・」
俺は少しずつ歩を進めながらそう言った。
「あ、アレが学校?」
目の前に立っている門と校舎を見て俺がそういうと全員が顔を真っ青にした。
前を見ると、ソコには少年が1人立っていた。
「やべぇ、雲雀・・・」
「雲雀?」
「キミが終崎終夜だね。試させて貰うよ」
「へ?うわっ」
俺は瞬時に避ける。
——ドゴッ
地面を見ると深々とトンファーが突き刺さっていた。
そのトンファーを軽々と引き抜いた雲雀と言う少年。
「な、何をッ・・・」
「良く避けたね。わくわくして来たよ」
ニッと少年が笑うとトンファーが襲い掛かる。
(避け続けてるけど、結構キツッ・・・)
「スゲェ!雲雀の攻撃全部避けてるぜ・・・」
「終夜君、凄い・・・」
「・・・」
「避け続けても駄目だよ」
「・・・ッ」
——何も、出来ない。
ドクンッ
(無、力)
「・・・」
「・・・?」
必死で何かの衝動を押さえ込む。
(気持ちが、悪い)
俺は地面に膝を付いて、息を吐き出した。
今まで、息を止めてたらしい。
「・・・決行期待したんだけどね」
そういうと少年は校舎の中に去って行った。
後ろに居た彼等が俺に向かって駆けつける。
「終夜君、大丈夫!?」
「ゼッハッ・・・」
俺は域を整えて、立ち上がった。
(呼吸も元に戻った)
立ち上がって「大丈夫」と言った。
ソレは、苦笑だった。
◆
「始めまして、雲雀恭弥君」
「・・・誰、キミ」
雲雀恭弥の前に現れたのは、一人の若い少年だった。
少年は手に分厚い書物を持ち、眼鏡をかけていた。
「名前は明かせないけど僕はこの学校に新しく転入してきた新人教師だよ。キミに、頼みがあってきたんだ」
「・・・頼み?」
「そう。『彼』には手を出さないで欲しいんだ」
「・・・ソレは、転校生の事?」
「そう。『彼』に手を出せば、キミは世界に殺される。世界全てが彼女の『覚醒』を望んでいるんだよ。まぁ、僕には興味の無い事だけど、一応警告として受け取ってよ」
そう言った新任教師は、応接室を後にした。
- Re: 人類混濁の白黒—モノクロ— 【REBORN×戯言】 ( No.5 )
- 日時: 2010/09/06 12:38
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
「と言うわけで転校してきた終崎終夜だ。お前等仲良くしてやれよ?」
「終崎終夜です。友達多く出来たら嬉しいです」
そういって終崎君はニコッと笑って見せた。
全員が顔を赤くする。
(終夜君、結構天然タラシ・・・?)
席を指名された終夜君は俺の隣に座った。
「同じクラスだな」
「あ、うん。よろしくね」
俺はそう笑った。
「あぁ、もう一つ忘れてたな。新しく国語の先生が変わった。入ってきてください」
扉が開いて、その扉から入ってきた若い男の人。
眼鏡をかけ、大きな国語辞典らしきものを持っていた。
「本名は明かせませんが、いーちゃんいの字いー君・・・まぁ、好きに呼んでください」
「あ、はぁ・・・」
(変わった先生だな・・・と言うか、何だろう、この感じ・・・)
俺は変な感覚を感じながら、その先生を見ていた。
◆
俺が転校してきたと同時に、新しい先生が入ってきたらしい。
俺は何か、変な感じがした。
(何だろう、この感覚)
俺はそう思いながら黒板を見ていた。
休み時間になって、俺は屋上に来ていた。
「風が気持ち良いなぁ」
背伸びをしていると、後ろの屋上のドアが開いた。
「終夜君、何してるの?」
「沢田君、いや、何もしてない。只背伸びをしてみただけ」
「ヘェー」
俺はエヘへ、と笑ってみた。
沢田君が隣に近づいてきた。
「終夜君。あのさ、一緒に後で昼ごはん食べない?」
「あぁ、うん。一緒に食べるかな」
俺はそういって、屋上をとにかく後にした。
廊下で国語の担任教師に出会った。
「あの、いー先生」
「なんだい?終夜君」
俺はヘラッと笑っていー先生に向き合った。
「いえ、只話してみたいなって思って」
「話す?何をかな?」
「いえ、あの、いー先生には守りたい物ってありますか?」
「守りたい物?」
「えぇ。俺にはあるんですよ。守りたい物」
ソレは————今、出来た掛け替えの無い物。
俺はニコッと笑ってみせる。
「僕には、・・・あるのかな。僕はそういう感情は欠落しているからね」
「欠落?」
「欠落製品さ」
俺は首をかしげて、言葉を出した。
「なら俺も欠落製品ですね」
「・・・?」
「俺、記憶が部分的に欠けてるんですよ。両親の記憶とか、昔の友人の記憶とか」
判る事は、その全ての人が殺された記憶だけ。
(思い出だけが、欠如している)
「・・・」
「それでは失礼します」
俺は少しだけ悲しい顔をして、後にした。
◆
《あっれー?いーちゃんどーしたの?》
「・・・いや、終崎終夜の事なんだけど」
《んー?》
「・・・いや、何でもないよ」
《そう?あぁ、いーちゃん同情なんかしないでよ?あの子はたった一人で破壊兵器にもなりかねないんだよ?》
「・・・両親の血筋って言うのか?」
《そーだよ。だから、要らない感情は必要ない》
「・・・判ったよ。所であの人間失格野郎も来るのか?」
《さぁね。僕様ちゃんはそこらへんの世界は知らないんだよ》
「そうなんだ」
《うん、もう用事は無い?》
「あぁ、いいよ」
ブチッと回線は切れた。
- Re: 人類混濁の白黒—モノクロ— 【REBORN×戯言】 ( No.6 )
- 日時: 2010/09/06 13:30
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
「終夜君、お昼ご飯食べよう?」
「あ、うん」
俺は屋上に上り、沢田君と山本君に獄寺君と一緒に食べていたときの事だった。
「かはは、お前がもう1人の転校生か」
「・・・へ?」
「あ、汀目俊樹君。終夜君、汀目君も終夜君と同じく転校して来たんだよ」
(もう1人のってそういう意味か・・・)
俺は双思いながら弁当をつまんでいた。
「俊樹君は何で此処に?」
「そりゃあもう1人の転校生に会って見たかったからだ。ったく、兄貴の頼み以外だったら即座に止めてたのに・・・」
「へ?」
「あ、いや、何でもねぇ「人間失格、何してるんだ」」
俺は扉のほうを向いた。
扉の前には、いー先生が立っていた。
「欠落製品・・・」
「早くこっちに来い」
ズルズルと汀目君は先生に引きずられ、屋上を出て行った。
「なんだったんだろう・・・」
「さぁ?」
俺がそういうと後ろから声がした。
「がはは!ランボさん、偉い子だもんね!」
「ってランボ!?こんなところで何してんだよ!」
「うるせーぞアホ牛!」
ガンッと音を立てて獄寺君がランボと言う子供を殴ると、ランボはユラット立ち上がって、波だめになっていた。
「ちょ、大丈夫?」
「グスッ、ガ・マ・ン・・・できなーーーーーい!」
「へ?」
牛柄の子供はバズーカの様な物を取り出し、ソレを何故か俺に向かって飛ばした。
———ドォォォォンッ
煙が周りを包んで、意識は遠ざかった。
◆
「ちょ、終夜君!?大丈夫・・・」
俺は途中で言葉を失った。
「・・・」
ソコに立っていたのは、子供姿の、
「終夜、君・・・?」
「まさか十年バズーカの故障、ッスかね・・・」
「オイ、大丈夫か?」
——パシンッ
「!」
山本が手を伸ばすと、終夜君らしい少年は、その手を払いのけた。
「俺に関わるな」
「え・・・」
鋭い瞳に俺は一歩下がった。
(今とはまるで違う)
鋭い瞳をした終夜君の靴は、真っ赤に染まっていた。
「コレ・・・血だぜ」
「え!?」
「・・・ッ」
するととたんに終夜君は自分の体を抱きしめた。
何かに怯えている様に。
俺は頭を撫でてやる。
ビクッと一瞬振るえ、俺の顔を見上げた。
「大丈夫?」
「・・・ッ皆、死んでいくんだ」
「え?」
再び俯いたかと思うと、顔を上げて涙目で叫んだ。
「俺が生きているだけで!俺が在るだけでッ!皆、皆殺されるんだよッ!だったら俺は無くなった方が良い!」
「駄目だ!」
俺がそういうと終夜君はビクッと振るえ、俺から少し離れた。
「そんな事、言っちゃ駄目だ・・・!キミは生きていて当たり前だし、キミが在って当然だしッ・・・」
俺も半分涙目で、俺も叫んだ。
「俺は、キミに生きていて欲しいんだ・・・!」
「・・・」
スッと、終夜君の表情が楽になったような感じがあった。
「・・・未来の俺に、宜しく言っておいて」
「え・・・」
「未来の俺はきっと、何も覚えてないだろうから」
そういうと再び煙が上がった。
晴れると、
「あれ・・・」
「終夜君!」
俺は終夜君に近づいた。
終夜君は首をかしげ、俺を見た。
「何で沢田君、涙目なの?」
「あ、いや、何でもないよッ・・・」
俺は乱暴に裾で目をぬぐって答えた。
「ったく、心配させやがって・・・」
「良かったのな」
終夜君は不思議そうに首をかしげていた。
◆
煙が上がって、俺の意識は一瞬だけ飛んだ。
目を覚ますと、ソコは血の海。
(記憶の端にある記憶の断片)
鼓動が早くなる。
「思い出したくない・・・」
何かが拒絶して、何かが反応した。
「・・・ッツナ・・・」
俺は窓の外を見て、頬に涙が伝った。
(何故、あの時終夜君の靴に血がついていたのか)(あんな事を言ったのか)
(ツナ・・・!)(俺の記憶は、余計な事は全て消去された)