二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 人類混濁の白黒—モノクロ— 【REBORN×戯言】 ( No.9 )
- 日時: 2010/09/06 15:43
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
—Data,04— サイコロ
「エスプレッソ、だっけ」
俺はエスプレッソを選びながら、喫茶店の前でウロウロしていた。
理由は簡単、リボーン君に頼まれたからだ。
「やぁ」
「・・・?」
「君のことを言ってるんだよ、少年」
「あ、ハイ。何でしょうか?」
俺は自分の事を言っていると気付き、男を見た。
男はニッコリと笑う。
だけど、目の奥は笑っていなかった。
グリーンの目は、まっすぐと俺を見ていた。
「キミ、普通の人とは違うから何だか話したくなってきてね」
「ハァ・・・」
「君の名前は?」
「あ、えっと、終崎終夜です」
「成る程成る程。いい名前だ。ちなみに俺は兎吊木該輔という」
「ハァ・・・」
何だこの人とか思いながら俺は手元に持っているエスプレッソを握り締めた。
「少し、お茶をしないか?」
「・・・」
◆
道を歩いていると、1人の少年に眼が向いた。
金髪で澄んだ青い瞳をした少年。
美しいと感じた。
同時に———恐れを感じた。
(まるで、世界を相手にしてるみたいだ)
存在その物が、世界その物に思えてならなかった。
俺は恐る恐る彼に話しかける。
案外普通の少年らしかった。
だが、将来とんでもない存在になりそうなことは感じていた。
(今、は普通の人であり続ける)
少年をお茶に誘い、ある喫茶店で一服する事になる。
◆
兎吊木さんは俺の顔をまじまじと見てきた。
俺は顔を逸らす。
「あ、あの。俺の顔に何か・・・」
「あぁ、いや。キミはとんでもない存在だと思ってね」
「ハイ?」
「キミは感じたことが無いかい?自分の存在その物がまるで、壊れかけの存在の様な事を」
——ドクンッ
「・・・」
「キミは、自らの事を世界のバグだと感じた事は?」
——ドクンッ
バグ。
害。
「ねぇ?」
「・・・」
何もいえなかった。
(呼吸が、苦しくなる)
鼓動が早くなり、脈拍も通常ではなかった。
体が火照って行く。
俺は自然と自分の裾を握り締める。
ギリギリと、音を立てる。
「ねぇ、キミは、××××××××」
———バンッ
俺はテーブルを叩き付けた。
触れてはいけないキーワードに触れた。
俺は息を取り乱しながら、何とか衝動を押さえ込んだ。
「大丈夫?」
「ハ、ハイ・・・———」
俺はゆっくりと座る。
周りの客の視線が痛かった。
「本当に、大丈夫ですから・・・」
「・・・最後に問うていいかい?」
兎吊木該輔は———。
俺に、最後に問うた。
「キミは、本当に仲間を守りたいと思っているのかい?」
- Re: 人類混濁の白黒—モノクロ— 【REBORN×戯言】 ( No.10 )
- 日時: 2010/09/06 16:08
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
家に帰ると、潤さんはいなかった。
俺はベッドに横になる。
「・・・俺は、仲間を守りたいと思っている」
(もう、手放したくないから)
この手を離したくないから。
ぬくもりを忘れたくないから。
絶対に———手を離したくない。
「・・・」
手を、天井にかざしてみた。
「・・・」
自分の記憶の断片が掠れる。
思い出しそうだけど思い出せない。
俺は顔を歪める。
「全く・・・因果な人生だ」
バッとベッドから起き上がって、窓を開け、向こう側———つまりはツナの部屋に向かって、俺は跳んだ。
◆
十年バズーカが暴発を起こした。
ソレは何も無いはずの場所で爆発し、煙が上がった。
「ツナ、コレ一体何事?」
「終夜!あー、ちょっと、ね」
俺が苦笑すると、何故か終夜のほうにバズーカが再び跳んで行った。
「っまた・・・!」
終夜はバズーカに見事に当たり、煙に包まれた。
「ど、どうしよう・・・」
「・・・まぁ、時間になったら戻ってくるだろう。ツナ、寝てろ」
「え、でも・・・」
「いいからネロっつってんだ」
俺は無理矢理リボーンに寝かされた。
◆
煙に包まれた後、俺は目を開ける。
晴れて行く煙。
「・・・」
「・・・へ?」
俺の目の前に在った光景は———。
倒れているスーツ姿の男達の真ん中に、堂々と机に足をかけてワインのビンを持った、大人びた沢田綱吉だった。
(運命は、サイコロの様に気紛れだった)