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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 爆想サザエさん ( No.187 )
- 日時: 2010/12/30 21:36
- 名前: ACT ◆ixwmAarxJ2 (ID: 4ejw0jz1)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
28
弔辞を終えると、マスオは急いでアナゴの妻を呼び出した。建物の裏まで手を引っ張って行く。2人は向き合った。
「お前……なんで来たんだよっ!」
彼は怒鳴った。怒鳴ったとはいえアナゴの妻に聞こえる程度だ。
「いいじゃない、刺激的で」
「刺激的ってお前っ……!」
刺激的だと?マスオは怒りで顔を真っ赤にした。磯野家にばれたら大変な目にあうだろうが。もしサザエと離婚になんてなったら多額の慰謝料を払う目になっちまう。サザエと結婚したのも磯野家が裕福だからってのに、逆に貧乏になるなんて考えられねえよ。
「おい、絶対関係気付かれんなよ。お前だって家庭があるだろ、気づかれたら俺達終わりだぞ!分かったかい?」
「……分かったわ」
マスオは大きい声を出しすぎたと思ったが、アナゴの妻は俯いたので気にしないようにした。これだけ言っておけば安心だろう。
「じゃあ、あんまり俺達が帰ってこないと怪しむから、行くぞ」
マスオが一歩踏み出した時だった。何故だか分からないが不倫相手が笑いだした。俯いていた彼女は顔を上げる。恐らくあまり手入れをしていないだろう、茶色くなった歯をのぞかせ、にやりと笑っている。マスオは背筋が寒くなったのを感じた。
「な、なんだよ……」
「フフフフフフ、後ろを見てみなさい」
「なんだよ、からかってい……!」
マスオは仰天した。
そこに立っている人物も仰天しているようだ。
腫れた目と、分厚い唇を大きく開けて茫然とつっ立っている。
アナゴだった。
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