二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 爆想サザエさん ( No.208 )
日時: 2011/04/17 19:47
名前: ACT ◆ixwmAarxJ2 (ID: 91b.B1tZ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

32

 それは波平が家へ帰る時に起こった。

「よう磯野ォ、久しいなぁ」

 家の手前まで来た時、背後から突然声がした。
 振り返るとそこには借金取りが3人いた。両脇には大男、真ん中には小柄のボス格。いつもの顔だ。

 まずい。金はまだ用意していない。

 必死に言い訳をしようとした時、それ見透かすように中心にいるボス格がそれを遮った。

「おっと、『勘弁してください〜』なんていう事は言うなよ」

 心の中をすでに見透かされていた波平の心臓が飛び跳ねた。
 もう言い訳が思いつかない。
 彼の体中の毛穴と言う毛穴から汗が噴き出る。

「おい、呼べ」
「はい、カンヤさん」

 ボス格の神谷というらしい。しかし波平は全く耳に入っていなかったようだ。
 3分後、黒の塗料で塗りたくられた高級セダンが波平達の間に現れた。

「乗せろ」

 神谷の一声で、隣にいる大男が波平を両側から掴んだ。萎れた老男が敵うはずもなく、あっさりと車に乗せられてしまった。





「あなたー、お父さんしらなーい?」

「しらないよ。またどっかにフラフラでかけていったんだろ」

「わかったわ、じゃあ夕食作るから」

「……」