二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: FINAL FANTASYⅦ—序章— コメント下さい!! ( No.40 )
- 日時: 2010/11/18 20:31
- 名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: cVA1W6Ik)
Capter Ⅳ —デート、一回!—
生活は神羅ビルの部屋で過ごす。
それは学園に通い始めた今日も変わらなかった。
夜、暗い窓の桟に並べてある花々の、花瓶に水遣りをして透き通った青い花びらにそっと触れる。
と、天井からガタガタという音が聞こえた。
驚いてそこを見ると、見たかったあの淡い輝きを秘めた瞳が見えた。
見たかったとはいえ、そんなところから瞳が覗いていたために反射的に壁際まで身を引いてしまった。
ガラ、と格子が外れ、少々すすけた彼の姿が天井から現れる。
「なんだよ、この状態・・・。人間の扱いじゃないな」
彼は白く、質素なつくりの壁や床、自分の出てきた天井を見やる。
そしてエアリスの、首にはめられてしまった首輪に目を留めた。
少し眉がぴく、としたかもしれない。
・・・怒った?
「やっぱ、あんたが古代種のことと関係あるのか?首輪なんてつけられて・・・」
思わぬ発言に、エアリスはそのグリーンの瞳を丸くした。
なんで、そのことクラウドが知ってッ・・・!?
しかし彼女は目を伏せた。
「・・・しょうがないの。それに、無理に逃げ出そうとして、殺されたら・・・。母さんの死も、無駄にしちゃうから・・・」
ポロ、と涙が落ちる。
慌てて手でふき取り、顔を上げるとクラウドはそんなわたしの顔を見た瞬間に後ろを向いた。
「絶対助け出してやるよ」
「じゃあ、報酬出しちゃおっかな」
できるだけ明るく言った。
クラウドはそんなエアリスの声の調子に安心したのか、また向き直る。
そして、ちょっと困ったように頭をかく。
「いいよ、報酬なんか。仕事とかじゃないんだぞ?」
「いいの、いいの。じゃあねぇ・・・。デート、一回!・・・ねぇ、ど〜お?」
クラウドの頬の筋肉が、若干緩んだ気がした。
微笑んでくれたのかもしれない。
クラウドは、かすかに頷いて「じゃあ、約束だな」といった。
エアリスはうれしくなって花のように笑った。
彼はまた格子の蓋を持って、一跳びで天井の穴に手をかけ、体を持ち上げる。
空気口の格子をはめて立ち去りかけた。
エアリスはその背中に慌てて声をかける。
「また、明日・・・ね?」
暗い空気口の中、クラウドが頷いてくれた気がした。